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2009年11月29日日曜日

トロニー・ソーラー(TRO) 中国の薄膜ソーラー・システムのメーカー IPO

トロニー・ソーラーが近く上場されます:

幹事構成:JPモルガン、クレディスイス、CLSA、オプコ
今回発行株数:1950万株
初値設定:9から11ドル
ティッカー:TRO
売り手:JPM250万株、インテル200万株

同社は薄膜ソーラー・システムのリーダーです。コスト面で業界で最も競争力がある点、75のパテントを有するなど独自の技術を持っている点が特徴です。

現在の生産能力は115メガワッツで、年末までに145メガワッツまで増やす予定です。

平均製造コストは$1.09/ワットです。クリスタル・シリコンを作っている他社の平均コストは$1.44/ワットです。


同社のグロスマージンは40%、純利益マージンは29%で、これはクリスタル・シリコンのソーラー・パネル企業などと比べると遥かに高いです。

同社の薄膜技術はPECVDとPVDを利用しており、資本効率の高い経営をしています。

薄膜ソーラー・システムは主に所謂、オフグリッド、つまり電気の来ていない田舎などで街燈、温室、コンシュマー向けの用途に使われます。これはクリスタル・シリコンのソーラー・システムがオングリッド主体であることと大きく異なる点です。また同社のシステムはBIPVと呼ばれる、建物に一体化されたPVを壁面や屋根に据え付けるという商品もあります。

オフグリッドには20年の歴史があり、政府の補助金などを貰わなくてもビジネスとして成立しています。

トロニーの過去3年の売上高成長率は年率357%でした。純利益成長率は年率450%です。

クリスタル・シリコン市場の2008年の市場規模は5961MWで、これが2013年までに13040MWへ成長すると見られています。年率換算すると17%の成長率です。

これに対して薄膜市場の2008年の市場規模は893MWで、これが2013年までに4118MWへ成長すると見られています。年率換算すると36%の成長率です。

このように薄膜市場の方が成長率が高いです。また薄膜市場は政府の補助金などに頼っていない、自然に発生したマーケットです。

薄膜システムの特徴はコストが安いこと、製作過程が統合されていること、薄日や高温でハイパフォーマンスなので砂漠や日照の少ない地域でもシステム設置に適している事などです。

薄膜システムの原料となるアモーフォスをカドミウム(CdTe)と比べると、毒性がないため用途の制約が無いし、原材料がふんだんにあるという点でも有利です。

世界にはグリッドに連結されていない地域はいくらでもあります。ですから今後、世界の電気の消費に占めるオフグリッド比率は上昇すると予想されています。

同社のシステムはハイ・ボルテージ、ロー・カレントであるため製品寿命が長いです。また設置コストが殆どない、透明なのでビルに使える、形状やモジュール化などの面で自在に製品開発が出来るというメリットがあります。建設会社と協力して設計段階から建物への組み込みする事業を推進しています。

競合他社としてはファースト・ソーラー、ユナイテッド・ソーラー・オボニック、カネカなどが挙げられます。

ASPは安定的に推移しており、1.81ドル程度です。

クリスタル・シリコンの業者のように原料をストックする必要が無いので在庫は15日分しかありません。

売掛金は43日です。


1 件のコメント:

iidesuka さんのコメント...

TROは薄膜ソーラーシステムのリーダーということですが、これはどのような意味でのリーダーですか?
売上的にもファーストソーラーの10分の1くらいの規模ですし、IPO時に想定される時価総額でも遠く及びません。

中国企業でのリーダー、ということでしょうか?