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2009年11月20日金曜日

イランのアハマディネジャド大統領のブラジル訪問に憤慨する米国

イランのアハマディネジャド大統領が来週月曜日にブラジルを訪問します。

これに関して米国では「世界が一致してイランの核保有をボイコットしようとしているのに、ブラジルはけしからん」という声が議会などを中心に上がっています。

ただ「抜け駆け」しているのはブラジルだけではありません。中国もイランとは商売していますし、オバマ大統領が訪中した際もイラン問題には「知らんぷり」でした。

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なぜブラジルはイランと外交関係を維持するのでしょうか?
これには大きく言って2つの理由があると僕は考えます。

まずイランはブラジルのチキンをはじめとする食品や穀物の買い手だからです。

次にイランはペルシャ湾に大きな海底天然ガス田を持っており、この開発をやりたがっています。
ブラジルは海底油田の開発ノウハウでは世界最先端です。
既にペルシャ湾の一部の鉱区をブラジルは持っているのですが、「こんなジョボい鉱区は駄目だ。もっといい場所をよこせ」とハード・バーゲニングしています。

本来であればペルシャ湾のサウスパース天然ガス田はエクソンやロイヤルダッチが手がけたい案件だと思うのですが、政治的な理由から欧米勢はオフリミットになっています。そこへ中国勢やブラジル勢が間隙を突いて割り込もうとしているのです。

国際政治の舞台におけるBRICsの相対的な重要性の増加を感じさせるエピソードではあります。

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