僕は日本の事情に明るくないので、ひとつ下の記事(テレグラフの原文の方)を読んで驚くとともに悲しくなりました。こんな日本に誰がした!、、、そういう怒りも覚えます。
でも、もしこの記事にかいてあることが本当なら、、、
もう何をやっても手遅れでしょうね。
つまり事態は「政府に今から何ができるか?」を考えるステージを終え、「個々人が生活防衛を考える」ステージへと進んでいる気がするのです。
僕は南米の株式市場などを長く見てきた関係で、政府がしっかりしていない国の国民はいろいろ工夫して自己防衛するものであるという例をつぶさに見てきました。
例えば今でこそブラジルやインドの株式市場の行方を占う際、「機関投資家動向」をチェックするのが定石となりつつありますが、昔は個人の資本逃避のお金がどのくらい出て行っているかをチェックするのが大事な作業だったのです。だからファンダメンタルズの悪い国からは国民のお金が逃げてゆくという考えに違和感はありません。
さて、日本です。
いまのところ日本の個人の資金が大挙して資本逃避をはじめている兆候はありませんが、流れが微妙にかわりつつあるのは僕も感じます。
例えば上に掲げた『日経マネー』です。記者の方からコメントを求められたのでアンケートに答えたら、その記事が出ている号をアメリカの僕の事務所まで送ってくれました。(どうもありがとう!)
で、10人の識者へのアンケート結果を見て笑ってしまったんですね。
「海外投資比率の考え方」という項目があり、投資資金の何パーセントを海外に振り向けるか?という質問項目だったのですが、僕は一応、15%という風に答えておきました。その理由は最も国際分散投資の進んでいる英国の年金ですら、海外の株式のエクスポージャーは20%程度だからです。
個人投資家は年金のようなプロ投資家ではないし、英国の株式市場は日本より小さいから、日本人の海外へのアロケーションが20%より高いというのは理屈に合わないように感じたのです。
ところが、、、
15%なんて臆病なことを言っているのは僕ひとりで、後の人は軒並み僕より高い数字を提唱している、、、
まあ、この欄にコメントしている人で、相場の腕前は兎も角、こと外国株ひとすじということなら僕は誰よりも長くやっているわけで、そのにんげんが一番弱腰な事を言っているという点に少なからず驚いたし、正直、きつねにつままれたような違和感を持ったのです。
(彼らに見えていて、自分に見えていないものは、なんだろう?)
で、今回、このひとつ下のエントリーのテレグラフの記事を読んで(ははあん。こーゆー事なのね。)と納得したわけです。つまり自分には日本に対する危機感が足らなかったということ。
2 件のコメント:
もうカウントダウンは始まっています。ただカウントダウンがいつ終わるのかが、おそらく誰もわかっていないと思います。
民主党は郵便貯金を再国有化し、国債の借り換えの受け皿とすることを確定させました。これによりとりあえず国債の買い手が消滅するリスクが先延ばしされることになりました。
高齢者は「お上意識」に支配されており、いまだに「お代官様が三方一両損みたいなことを考えてくれている」という幻想をいだいていまして、政府や官僚が「なんとかしてくれる」と思っています。この人々にクリントイーストウッドの映画を見せたからといって、郵便貯金や銀行預金をどうこうすることはないでしょう。日本の老人たちには、自己の余命の短さともあいまって、危機意識が極端に欠如しています。後は野となれ山となれ・・・。
したがって直近に危機が迫っているわけではないと思います。ただ5年、10年というスパンだとわかりません。
ハイパーインフレで、すべてのレガシーコストがリセットされ、願わくば残されている技術力でリフレッシュスタートというシナリオを個人的には期待しております。ただリセットしてそのまま歴史の表舞台から消え去る可能性も十分にありますが・・・。
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/0ia0/104123/ph02.pdf
こちらに踏み上げさんが、本文中でコメントの10人のコメントがPDFで出ていますね。
そのほかのコンテンツもコチラで読めます。
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/0ia0/104123/
ちなみに私は65%くらいが外貨だてです。
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