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2009年11月17日火曜日

連載 ノマド型投資でフロンティア・マーケットに挑戦 ①

【イントロダクション】
今日から数回に渡ってグローバル投資に関する新しい考え方を連載という形をとって提案します。
これは僕が個人的に実践している手法であって、どこかの誰か有名な方が確立したメソッドではありません。
だからこのやり方をすれば成功するという類のものではぜんぜんありません。
ひとつだけ言えることは僕が20年かかって到達した境地であり、欧米の投資家との切磋琢磨の中から編み出された現場のノウハウなので、見る人が見れば(ははあん、こいつはアレがやりたいんだな)とピンとくる、、、そういう類のものです。

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ノマドとは遊牧民のことを指します。

遊牧民はひとつのところに定住せず、季節や自然のサイクルに合わせて移動します。

ノマド型投資とは、遊牧民のようにその時々の市場環境に適った、最も合理的かつ有利な投資先を選んで投資してゆこうという世界観ないしは価値観です。

通常、そのような有利な投資先は少なくとも3年から5年くらいは続く場合が多いです。

遊牧民は長年培った経験や知恵を生かして移動先を決めます。この遊牧民の自然に逆らわない行動様式には学ぶべきものが多いです。

次にフロンティア・マーケットを定義します。

僕にとってフロンティア・マーケットとは「未だ一般の機関投資家によく知られていない投資機会」全般を指します。例えばロシアやブラジルなどの新興国もフロンティア・マーケットの例ですし、インターネットが最初登場したときはそれが大多数のプロにとって未知のものであったという意味ではこれもフロンティアです。

要するに「あたらしい発見がある場所」あるいは「埋めてゆかなければいけない知識ギャップが存在するところ」が即ちフロンティア・マーケットです。

相場の格言に「相場は知ったら、しまい」というのがあります。つまり或る投資機会が市場参加者に理解され尽くしてしまえば、その市場は効率的になるでしょうし、効率的な場所で他人を出し抜いて大きく儲けることはとても難しいのです。

新しい有望な投資機会が出現すると皆、競って勉強をはじめます。例えば最近、オリンピック開催が決まったブラジルなどはその好例ですね。後から後からその投資機会をモノにしようと飛び込んでくる参加者が居る限り、その投資対象に先回りしてポジションをこしらえた先行者は有利に勝負を展開できるのです。

でもいずれどんな新しいアイデアも使い古され、くたびれるときが来ます。それは換言すれば「フロンティアの喪失」です。相場的にはこの瞬間が最も危ないです。

なぜノマドの如く頃合いを見計らって投資を引き払う必要があるのか?と言えば、それはこの危機を回避することが目的なのです。

つまりウハウハで儲かる市場を探し求めるという行為と、放浪し続けるということは切っても切り離せないのです。

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