☆ ☆ ☆

2009年11月24日火曜日

We've got the monster by the tail! 



マーク・トウェイン曰く、「金鉱とは空っぽの穴の横にうそつきがひとり立っている場所だ」

上のテレビ番組は実際にカナダで起きた金鉱をめぐる詐欺事件です。

この詐欺の舞台となったブリエックス(Bre-X)という企業のピークの時価総額は5500億円くらいありました。つまり嘘のスケールとしてはとてつもなく大きいものだったのです。

このエピソードの発端はフィリピン人鉱山技師、マイケル・デグスマンがインドネシアのボルネオ島のジャングル奥深く、ブサンという土地で金鉱脈を発見したと宣言したことから始まります。

デグスマンは鉱山技師ジョン・フェルダホフと組み、この探索の資金繰りを付けてくれる会社を探します。

かれらが白羽の矢を立てたのはカナダの落ち目の実業家、デビッド・ウォルシュです。デビッドはこの金鉱脈の話がでっち上げだとは知らず、ブリエックスという会社を創業します。

デグスマンは「塩撒き(salting)」という手法でドリリング・サンプルにゴールドを混ぜ、それを検査所に送ります。検査の結果、「ブサンにゴールドがあるぞ!」とわかるとブリエックスの株価は暴騰します。

しかし巨大な富がボルネオ島に眠っていることを知ったインドネシア政府はその権益を横取りすべく採掘権をキャンセルし、半分を自分の息のかかったフリーポート・マクモラン(FCX)社に譲渡します。

フリーポートは同じインドネシアに現存する、世界最大級の金山、グラスバーグの所有者です。とろこがフリーポートの探索チームがブサンに乗りこんで、ブリエックスのボーリング場所とすぐ隣接する場所でドリリングした結果、ぜんぜんゴールドが無いことがわかります。

その時までにデグスマンとフェルダホフは自分の持ち株を一部処分し、大金持ちになります。しかしフリーポートはこの話が詐欺ではないかと疑い、デグスマンに説明を求めます。

デグスマンはボルネオ島のジャングル上空でヘリコプターから飛び降り(一説には突き落とされたという説もあります)自殺します。しかしこの自殺は巧妙に仕掛けられたトリックだという疑惑もあり、真相はわかっていません。

フェルダホフはカナダ司法の手のおよばないケイマン島に逃げ、騙されたウォルシュはバハマに移住した2年後に心臓発作で死にます。

0 件のコメント: