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2009年12月2日水曜日

中央経済工作会議に素直にコーフンできない理由

投資家というのは世の中を斜めに見る傾向があり、飽きやすい生き物です。
だから今回の世界金融危機でも最初は中国の断固とした景気テコ入れ政策に投資家は素直に感心し、それを支持しました。

しかし中国がやっていることは財政政策上の「cosmetic surgery(美容整形)」に過ぎないという議論も相変わらず根強くあります。

実際、アメリカでは今、小売店にとって一年でいちばん大事なクリスマス商戦の真っただ中ですが、早い話がバーゲン品じゃないと売れないし、ウォルマートやアマゾン・ドットコムといった、安い商品を大量に仕込める企業だけが好調です。

これは中国のような納品する側からすれば「値上げなんて、とんでもない。去年の半値で持ってこい!」と言われることを意味し、結果としてマージンも減少すれば、人民元だって切り上げなんて夢のまた夢なのです。

その結果、中国政府は国家の税収の14%に相当する金額を増値税に対する還付という形で実質的に輸出補助金を出しています。これはいかにリッチな中国政府とはいえ、相当キツイ出費です。

中国は世界で最も銀行サービスが浸透している国のひとつであり、国内信用のGDPに占める比率は2007年の世銀の統計では既に111%に達しています。それにもかかわらず主要銀行が前年比で40%増とかのキチガイ的なペースで融資を伸ばしてきたのが2009年という年でした。

ロシアやインドのように銀行サービスが浸透していない国ではベースそのものが小さいでの前年比30%増くらいの融資成長はなんとか我慢できます。でも中国くらい成熟した国でそれだけのペースで信用が伸びているのは不自然だし、ムリがあります。

だから中央経済工作会議でどんな大盤振る舞いが決まろうが、素直に喜べない、、、そういうセンチメントの変化を欧米の機関投資家と話していて感じるのです。

某ファンド・マネージャーB氏:「それはだな、言わばGentelman's club(=日本でいうゴーゴーダンサーの居るナイトクラブのこと)でおんなの娘を観るのとおんなじさ」

僕:「?」

B氏:「つまりだな、最初はおんなの娘のキレイさにぶったまげるわけだ。」

B氏:「でも暫くすると(なあんだこいつは整形か)とシラケるわけだ。」

B氏:「だから人生経験豊かなオジサン的にはそういう整形美人にはこころを動かされない。血気盛んで経験不足の若造だけだ、そういうのに騙されるのは。」

B氏:「むしろ俺なんか心配になるのは、いつ彼女のシリコンが溶けだすかだ。要するに今の中国の成長というのはねつ造された(fake)ものであり、しわ寄せの方が怖いということだ。」

僕:「..........」

1 件のコメント:

満月 さんのコメント...

昔六本木に「sevens heaven」ってジェントルメンズクラブありましたね(笑)