アップル(ティッカー:AAPL)が6月に発表した3G対応の「アイフォーン」がAT&Tによりサービス開始されています。しかしこの3Gサービスは接続の中断が続出し、消費者から苦情が沢山寄せられました。アップルのホームページの3Gサービスの中断に関するコメント・スレッドは余りにも書き込みが多いので、そのページにアクセスするごとに僕のPCがフリーズしてしまうほどです。
3G「アイフォーン」の不具合の原因に関しては色々な憶測があります。野村證券のリチャード・ウインザーというアナリストはインフィニオン社の半導体が不具合の原因だろうとコメントしているそうですが、それは間違っていると思います。
むしろ問題はAT&Tのベース・ステーション(Node B)と、「アイフォーン」のソフトウエア(旧バージョン)にあると言われています。いま、「アイフォーン」のファームウエアで、「バージョン2.0」および「バージョン2.0.1」が搭載されている「アイフォーン」だとハンドセットからのアクセスがベース・ステーションに集中すると大量のパワー・リソースを費消してしまい、ベース・ステーションがダウンしてしまうらしいのです。それが最新の「バージョン2.0.2」のソフトウエア・パッチをダウンロードすれば、ベース・ステーションに要求されるパワーが節約出来、ベース・ステーションが落ちないのだそうです。だから、早くなるべく多くのユーザーが「バージョン2.0.2」のパッチを施せば問題は解決する、、、そういう解釈がたぶん一番事実に近いと思います。
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このエピソードを調べていて僕が感じたことは3G「アイフォーン」のような新しいサービスが開始されると、消費者はいきなりワイヤレス・デバイスから動画などのコンテンツをダウンロードしたり、或いは「マイスペース」のような、時にはプライバシーの点から厳重な保護の必要となる個人情報もワイヤレス・ネットワークに乗るわけです。このように需要のパターン、ネットワークへの負荷など、プロバイダーの側からは予測できない事が沢山出てくるわけです。そこでは常に変幻するユーザーのパターンに合わせて、数ヶ月毎にネットワークをデザインし直す必要があります。
この場合、ベース・ステーションなどの側の機器の仕様は需要に合わせてどんどん変更してゆかねばなりません。するとASIC(「エーシック」と読みます)と呼ばれる、特定の用途、目的を想定した半導体が出来上がってくるのを待っていたら間に合わないわけです。そこで現場のエンジニアがソフトウエアにより臨機応変に半導体の仕様を規定できる、FPGA(エフ・ピー・ジー・エー=フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)と呼ばれる柔軟性のある半導体がどうしても必要になります。
つまりデザイン・サイクル(ネットワークを設計してからそれを実際に構築するまでの期間)が短くなればなるほど、FPGAの出番になるというわけです。
銘柄ですが、代表的な会社ではザイリンクス(ティッカー:XLNX)とアルテラ(ALTR)という企業があります。これらの企業についてはいずれ近いうちに紹介したいと思います。
1 件のコメント:
世界的な様です。
iPhoneがやらかしちゃった
http://www.phs-mobile.com/?p=423
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