2008年10月6日月曜日
金融不安の主戦場は欧州に移った?
ワコビア(WB)を巡るウエルズ・ファーゴ(WFC)とシティ(C)の間の確執はまだ続いているけど、、、今週末のもっと重要なニュースはドイツがハイポ・リアルエステートへの支援と合わせて、「預金の全てを保証する」と宣言する準備をしていると報じられたことだと思います。
先週、ECBが利下げに踏み切らなかった理由のひとつは今ドイツの労働組合が8%の賃上げ(近年では過去最高)を要求しており、この交渉のゆくえがハッキリするまではECBも動けないという事情があったと言われています。
いずれにせよECBはキャデラック。金利調整に関しては加速ものろのろだしブレーキものろのろ。
いま政策金利のスタンスが完全に誤っているのは米国ではなく、欧州の方だと思います。
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5 件のコメント:
キャデラック しばらく動きそうにないですね(笑)
8%の賃上げ要求は凄いですね。
国によって労働組合の存在感が違うのですね
日本の労働組合の存在感はかなり低いような気がします。
欧州の金融不安が 翻って 世界の実体経済に悪影響を及ぼすことはないですか?
EU議長国のフランスが頑張っているようですが・・・・
FRB は、物価の安定と雇用の最大化に責任を負っていますが、ECB には物価の安定にしか責任を課されていません。
単に中央銀行というだけで FRB と同様に考えて ECB の政策が誤っているというのは言いすぎだと思います。
誤っているとすれば、ECB 設立時の目的設定が誤っているのでしょう。
たこすけサン
コメントありがとうございます。
そうですね、ECBは物価の安定(それは換言すれはユーロという通貨の価値を守ることにほかならないのですが)だけが使命です。
それはEUの歴史を考えれば当然だし、そういうスタンスで良いと思います。
ただ、、、
過去のECBの金利政策を観察するとそのときそのときのメンバー国の経済の強い、弱いで微妙に「陰影」が違うということがありました。
つまりドイツの経済が強いときはECBの使命である「インフレ防止」という掛け声が普段よりいっそう強まる傾向があるのです。
つい今年の夏まではドイツが議長国だったことも微妙に影響しています。
ドイツの経済は他の先進国よりサイクルが一呼吸遅れていて、今回の景気拡大サイクルでも最後にテイクオフして、粘り腰も最後まで強かったです。
これに対して南ヨーロッパの「クラブメッド」諸国は一足先に「ちょっと様子が変だな」という感じになっていて、不協和音が出始めていました。
EUはドイツの景気がわるいときは結束が緩くなり、ドイツの景気が強いときはぐいぐいドイツがリードする、、、そういう傾向があるように感じます。これからは箍が緩んでくる局面に入るのではないでしょうか?。
つづき、、、
それからECBの「インフレ・ファイター」ぶりを評価する声というのが最近は強いですけど、過去を振り返ればECBだけが金利を低く放置した時期もあったし、そのクレディビリティーというのは結構、上昇したり、地に墜ちたりして固定していないと思います。
今は天井近辺ですね。
踏み上げさんへ
コメントありがとうございます。
純粋に経済だけを見てるのではなく、欧州内のパワーバランスも、ECBの政策判断に影響を与えているというわけですか・・・。なるほど、キャデラックですね。
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