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2008年10月3日金曜日

「彼は彼で、勝手にすればいいじゃないの?」


ウエルス・ファーゴ(WFC)がワコビア(WB)を買収すると発表しました。

これで先日発表された、シティ(C)によるワコビア(WB)のバンキング部門のみの買収(=これにはアメリカ政府の補助金がついていました)が反故にされたわけです。

ウエルス・ファーゴはバランスシート補強の為に200億ドル(!)の公募を発表しています。この200億ドルというのは超弩級の大型ディールです。まだマーケティングはキックオフされていません。

言わずと知れたことですがウエルスの大株主はバフェットです。でも今回はバフェットだけが特別安い値段でウエルスの株を買えるとか、そういう計らいはありません。

このことに関してカンファレンス・コールでアナリストが「バフェットはどうするの?」と質問していました。
ウエルスの回答は:

「彼は彼で、勝手にすればいいんじゃないの?」

というものでした。

さて、200億ドルという公募金額の「票読み」をする際にバフェットがディールを買って呉れるだろうという期待は当然、織り込まれています。でも「バフェットだからといって、特別扱いしませんよ。だからバフェットさんもみんなと同じく、行列に並んで下さい」とウエルス・ファーゴは暗黙に言っているわけです。

これはウエルス・ファーゴの自信の表れだと思います。


ハッキリ言って、このディールはこれまでのディールのようなギミックが一切無い、ストレートなディールだし、サイズもメチャクチャ大きいので、リスクも大きいです。

完遂される保証はありません。

でもこれをしっかりプライシングできれば、アメリカの銀行セクターは正式に、本格的にアク抜けたと言えると思います。

14 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

本当にアク抜けしたらいいですよね。
でも、
そうはならないんじゃないかな?

パック万 さんのコメント...

正直な話、C, WFC, WB 将来的な財務の状況はどうなんでしょうか? 

踏み上げ太郎 さんのコメント...

パック万さん

シティ(C)はワコビアのコア・デポジット(小口預金=比較的安定的な資金の供給源です)をどうしても獲得したかったので、今回ワコビアがウエルスと一緒になるともう一度、サバイバル戦略を立案し直す必要が出ます。

WFCはもともとノーウェストという中西部の堅実な地銀の住宅ローン審査手法を引き継いで経営されているので資産内容は他の銀行より良いです。

WBは東海岸中心なのでWFCがWBを買収すれば全国展開が実現します。またWBが買収したカリフォルニアのゴールデン・ウエストに関しては同じサンフランシスコの銀行ということでライバル同士、お互いの貸付内容に関してはかなり詳しく調べ上げている筈です。

ゴールデン・ウエストはARM中心ですから今回の住宅不況では苦しんでいますが、ウエルスはゴールデンウエストを買収してもなんとかやりくりできると踏んでいるのでしょうね。

僕にとって「リスクかな?」とおもう部分とは、ウエルスが今回のWB買収の発表の直後にすぐ公募増資を片付けなかった点です。これは毎日相場が悲観や楽観にスイングするような昨今の地合では、とてもリスキーなことです。大至急、バランスシートを補強しておかないとどこから茶々を入れられるかわかりませんから。

パック万 さんのコメント...

踏み上げ太郎様、
どうもレスをつけていただきありがとうございます。 テクニカルでは、WFCは、20MAに乗って下落ちしませんし、WBは、値を戻しつつあります。 この時期、チャート的には、かなり力強く魅力的ですね。
話は変わりますが、クレジットカード会社、VやMAは、叩き売られてますが、クレジット会社ということで叩き売られているんじゃないかと思うのですが、AXPなどと違いトランザクションのみでバンキングはやってませんし、確かバフェットは不況に強いデフェンシブと述べたとを見たことがあります。 機会がありましたら、すいませんが、ご意見を伺えませんか。 

匿名 さんのコメント...

相変わらずいつも良い面しか見ないんですね。 反故されたcitiは今後かなり苦境に立たされますよね。 この辺の話はしないのですか? まぁあなたも金融の事情を知ってるような書き方をしてますが実は最近のはあまり詳しくないんですよね~

PPR さんのコメント...

なんかゴタゴタしてきましたね。

米ウェルズファーゴにワコビア買収撤回求める=シティ
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34096420081004?feedType=RSS&feedName=businessNews

踏み上げ太郎 さんのコメント...

匿名さん

>反故されたcitiは今後かなり苦境に立たされますよね。 この辺の話はしないのですか? 

ご指摘ありがとうございます。実はこれについてはいま記事を書いているところです。シティにとっては今回、花嫁に逃げられたのはとっても良くないと思っています。

締め切り、掲載日の関係でシティに関するコメントが遅れてすみません。

踏み上げ太郎 さんのコメント...

パック万さん

>VやMAは、叩き売られてますが、クレジット会社ということで叩き売られているんじゃないかと思うのですが、AXPなどと違いトランザクションのみでバンキングはやってませんし

そうですね。ご指摘の通りです。VやMAには信用リスクは存在しません。

踏み上げ太郎 さんのコメント...

pprさん

そうですね、ゴタゴタしてきました。
しかしシティの場合、正式な合併合意書が出来ていなかったので訴訟しても勝てないと思います。そんなことに時間を浪費するくらいなら、もっと急いでやることがあると思います。

yari さんのコメント...

いつもタイムリーに参考となる記事をありがとうございます。

WFCは増資がうまく行えるのかわからなくなってきましたね。法案が通ったので、10月8日からいよいよショート解禁になるようで。

最後のSIVといわれたシグマファイナンス(AUM$27B)がデフォルトしたので、シグマが大量に保有していた金融機関の劣後債などが、市場に投げ売りされる見込みです。従って調達環境としては、かなり悪い雰囲気になるかもしれませんよ。

レバレッジドローンなんてとうとう@75で取引される始末。一昔前は回収率70%ある担保付きローンといわれていたのに、いまや回収率ななみの価格で取引されるとは^^;

先週は保険セクターにも飛び火していたので、PrudentialやHartfordなども叩き売られていました。

米に関しては悪いところがだいぶ出たので、後は、HF業界からの大量資金流出(解約)の影響がどの程度年末、年明けにでるのか眺めたころが、一つの区切りになるのでは、と思っています。

踏み上げ太郎 さんのコメント...

yariさん

コメントありがとうございます。
いつもとても勉強になります。

WFCについては200億ドルの公募を発表しておきながら鷹揚に物事を構えているので僕は不安な気持ちでいっぱいです。

「鉄は熱いうちに打て」という鉄則を彼らは無視している、、、

過去の「バランスシート修復ブーム」でも、最後は必ず捕まる奴が出てくるものです。その「ウインドウを逃す」発行体がWFCになるのか、それともCになるのか、息を詰めて見守っています。

踏み上げ太郎 さんのコメント...

つづき、、、

シグマの崩壊はスローモーションの脱線事故を見る思いですね。

ショートの解禁は、こと公募という作業に限って言えば必ずしも悪いことではありません。とりわけWFCのような大型ディールでは値決めの前に価格発見メカニズムがきちんと作動していないと大口機関投資家は怖くて買えないし、ヘンに吊り上った株価でオファーされてもつり銭誤魔化されたような気分になると思うのです。

それを断った上で今回のWFCのディールは異例な事が沢山あるので「よく平気で居られるな」とこちらがハラハラします。

PPR さんのコメント...

もっと急いでやることがある、というご指摘、私も同感です。
両面作戦で、別に増資プランは練っているんでしょうかね?

Citigroup Says Court Orders Continued Wachovia Talks (Update1)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aXpfDONidkMA&refer=home

どうも裁判所が待ったをかけたような感じですが、これだけやって結局ダメでしたっていうことになったら、受けるダメージはより酷くなりそうですね。

かおる さんのコメント...

シグマは、ほとんどがレポの形で、オークションにかけられるのは$2bn程度だと思います。
ウチの他のラインから「処理して」と言われ、CLOのAAAを市場で一部売って、残りは自分のAccountに沈めましたです。
L+500bps程度で他のラインから買い取ったので、悪くないかなと。
スプレッド部分は流動性の無さの対価だと祈りながら・・・。
市場実勢はL+350~400bpsと言われてますけど、ほとんど取引がない状態です。

米国モノは買えるのですが、欧州モノは買う気がしませぬ。
ユーロという通貨が試されているような気がして。
自分の中での最悪シナリオは、「ユーロが消える」で、マルク等が復活。
そうならないように祈ってます。