今日、バンカメリカ証券とメリルがバンク・オブ・アメリカ(BAC)の公募増資を敢行しました。
昨日の決算発表の時点で、最初は200億ドルと発表されたディール・サイズは今日になって半分の100億ドルに減っています。
しかしザラ場中に「モルガン・スタンレー(MS)への支援が中止になるのでは?」という観測が流れ、一時、モルガン・スタンレーの株価が30%安するなどプレースメントの環境としては最悪の日になってしまいました。
午後に入って「バンカメの値決め価格は25ドル以下だね。」という噂が聞こえてきて同行の株価はスルスル値を消しました。大引けは▼26.33%です。
いま、これを書いている時点では値決めのタームは未だ入電していません。
SECに提出してある仮条件シートの株数である3億株で引け値より少しディスカウントの23ドルを代入してやると69億ドルという調達金額になります。 当初の200億ドルの予定が随分減ってしまいました。
もちろん、値決めしないよりはしたほうが良いけれど、、、
今日の展開を見る限り、銀行株の公募増資のウインドウは閉じてしまったかのように思えます。
さて、まだウエルズ・ファーゴ(WFC、200億ドル)もシティ(C、100億ドル)も公募が済んでないわけですから、ここでウインドウが閉じると不良債権買い上げのリバース・オークションへの参加もしずらくなる気がします。
8 件のコメント:
銀行の公募増資がうまくいかなくなっているというのは相当に酷いことじゃないですか?
2日連続ひどい下げになるのも当然かと言える状況ですね。(その割にコメントが少なくなっているのも危険なものを感じます)
踏み上げさんは10月から強気説ですが、そんな状況で、大丈夫なんでしょうか?
もちろん下げ続ける相場なんてないわけですが、アメリカの景気後退は始まったばかり、欧州はいよいよこれからですから、まだ1年2年低迷してもむしろ自然な状況だともいえると思います。
mmさん
いつもコメントありがとうございます。
公募もIPOも投信も、およそ募集ものは何でもそうですけど、いずれは売れなくなるときが来ます。
その意味では終わりが来たことには驚きはありません。
むしろゴールドマンの公募部分50億ドル、JPモルガンの100億ドル、、、と、これまでよく株が捌けたなと僕は半ばあきれながら感心して見ていました。
明日朝、バンカメのディールの値決め価格がわかるそうですが、明日の立会いで公募価格割れになるかどうか興味深いです。
もちろん、ウエルズやシティにとってはこれは悪いニュースです。
さて、マーケットに関しては(よく下がりますね)今日、子供を学校に迎えに行って、クルマの中で待っている間、株の新聞(=IBD)を読んでいて、「あっ!」と思わず叫んでしまいました。値紙(株価欄のことです)に新安値の下線だらけなんです。
これだけ徹底的に悉く下線が引いてある値紙は正直言って初めて見ました。
コメントありがとうございます。
私が興味があるのは、公募などが売れなくなったという現実と、これから相場は反発するぞという期待は、矛盾していないのかということです。
昨日今日は、誰も何も買いたくない!みたいな状況ですよね。そんなので上がるのか?
もちろん相場の雰囲気など1日で急変することもあるんでしょうが…
それと、売り規制が期限を迎えますが、今では、これも下げ材料になりそうな気もします。規制は延長されるのかな?
凄い知識も良識あるのに
空売り規制を是とするのは
いかがなものかと思う。
本もおもしろいけどこればかりは
納得できません。
空売り規制は資本主義のルール冒涜である
と警鐘をならして欲しかったですね
FDICが自己資本規制緩和を承認。
中身は、リスクウェイト20%→10%
に変更。これで、必要資本が縮小するので、公募額を抑える事ができそうですが
いかかですか?
mmさん
コメントありがとうございます。
そうですね、けさ、東京の引け味を見ましたが、株にたいしてみんなとことん拒絶反応が出ているみたいです。
万人の呆れたる値が出れば、それが高下の境なり
という格言がありますが、そういう意味では昨日ほど世界の投資家の気持ちが株式から離れた瞬間は無かったのではないでしょうか?
この場合、僕は世界の中央銀行の「動ける余地」というものを中心に物事を考えます。
FEDは数次に渡る利下げの余地を残しているし、ECBもガンガン利下げできる余地を残しています。中国も利下げできます。
要するに中央銀行がやれることはまだまだ残っているということだと思うんです。
その意味で弾丸を撃ち果たして、傍観者の立場に追いこめられているのは日銀だけです。
匿名さん
コメントありがとうございます。
まず僕は本は書いたことはありません。
次に空売り規制に関しては、僕はアップティック・ルールの再導入に賛成です。
アップティック・ルールは1930年代の大恐慌の苦い経験から生まれた由緒あるルールであり、つい去年までずっとアメリカで遵守されてきたルールです。
だから別に新しく規制を追加するというわけではありません。
空売り自体が自然な株価形成に必要であるという意見には僕も大賛成です。
ただ、アップティック・ルールを噛ませて置かないと株価操作の道具に使われやすいのです。
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