今日ザラ場モルガン・スタンレー(MS)の株が30%以上も急落しました。
「三菱UFJが手を引くのではないか?」
そういう噂が出たからです。
確かに両社が資本出資に合意した時点でのモルガン・スタンレーの株価は$25であり、今日の引け値は$12.45ですから半値になってしまっているわけです。
ウォール・ストリート・ジャーナルが指摘するように若し三菱UFJが当初の値段で出資するのであれば、、、いきなり90億ドルの投資が半減してしまうわけです。
若し今日の引け値で三菱UFJが同じ金額を出資したとするとモルガン・スタンレーの65%を三菱UFJが支配する計算になります。FRBは三菱UFJがモルガン・スタンレーの25%までを支配するのは認めているようです。でもこれでは三菱UFJが不利過ぎる、、、
ウォール・ストリート・ジャーナルは「いまなら25%以上の投票権を三菱UFJが握ってもFEDはOKするに違いない」としています。
沈む船からねずみが逃げ出すようにヘッジファンドの顧客がどんどん逃げ出しているモルガン・スタンレーの経営の過半数を握ることは確かにリスクですが、そこは腐っても鯛。世界の金融界に君臨するモルガン・スタンレーを盗るチャンスなんて、そう巡ってくるものではありません。
12 件のコメント:
あまり本質的でないかもしれませんが、
株価が半額になって、なぜ25%以内だったものが65%になるのですか?
せいぜい2倍の50%の計算になるような気がしますが??
しかし日経先物がサーキットブレーカー発動、末期的状況が続きますね。
mmさん
コメントありがとうございます。
僕もそう思いました。
ウォール・ストリート・ジャーナルが25%と65%という数字を使っていたので僕もそのままこれらの数字を引用しました。(背景がわからないので)
ご指摘ありがとうございます。
PS:誰かわかる人がいたら教えてください。
でも痛快ですよね、モルスタの過半数をたかが90億ドル程度で支配できるなんて!
しかもアメリカ政府やモルスタの社員に有難がられながら、、、ですよ。
mmさん
もう一回WSJの記事を読み直してみました。
正確には;
1.当初両社は三菱UFJがモルスタの21%株式を取得することで合意していた
2.FRBは最大25%まで持って良いと言っている=これが外国企業の上限
3.だけど今回は特例をつくっても良い雰囲気、、、
ということだそうです。
三菱東京UFJは、決してお人好しにならずに、普通株も優先株も引受価格、転換価格の当初の価格からの引き下げを、引き受ける条件にすべきですね。というか、そうしないと株主に対して説明がつかないでしょう。
広瀬さんが仰るように、三菱UFJがMSのマジョリティを保有できるなんて、日本の金融界にとっては歴史的なことでしょう。
訂正です。
出資比率ですが、当初の予定では、30億ドルの普通株の引受価格が25.25ドルで、60億ドルの優先株の転換価格が31.25ドルでしたよね。これを全部転換すればfully dilutedベースで21%という事だったと思います。
10日の終値12.45ドルをベースにした時価総額が13.8bn(yahoo.financeベースの数字)で、9bnを出資するとすると、9÷(13.8+9)=39.4%にしかなら無いので、出資額9bnを前提にすれば、仮に普通株のみならず、優先株への転換価格も12.45ドルだと仮定しても、出資比率は40%弱ということになりますね。
だから、マジョリティが取れる、と書いたのは、間違いでした。
ところで、本日、スター・マイカという会社のプレスリリースで、実質上の大株主はHBKで不変だが、名簿上のそれはMSからBONYに変わったというのが出ていました。広瀬さんが仰るように、ヘッジファンドがMSから逃げ出しているのだと思いますが、BONYはプライムブローカー業務はやっていないですよね?広瀬さんにお伺いしたいのですが、この場合、HBKは、どこをプライムブローカーにしたと考えられるのでしょうか?
ここ数年で莫大な報酬もらってたMSの人達からの同時出資を集めてくる条件を追加したらいいのに、と思います。(賞与何年分とか)どれだけ出す人がいるかわからないけど。
将来に対して、日本流に「仁義を斬らせる」ってことで。
これだったら、日米ともちょっとは盛り上がるんじゃないでしょうか?アメリカでは、他の金融機関経営陣とかに飛び火するかもしれませんが。
wbjさん
僕のプライム・ブローカーの「裏」はBONYです。
確かBONYはパーシングを買ったんじゃなかったっけ?、、、
アタマがボケて度忘れしました。
asatkさん
コメントありがとうございます。
あの、リーマンとかベアスターンズなどの証券会社に勤めていた人も個人資産の大半を無くしている筈ですよ。
というのは米国の投資銀行はボーナスは会社の株(ストック・オプション)で支払われるからです。しかも3年間、勤め続けないとヴェスティング(付与)されないとか、そういう厳しい条件が付いています。
だから3年の凍結期間が明ける前にその株が紙切れになってしまえば、去年とか一昨年に貰った5000万円とか1億円のボーナスも全部パー、、、そういうケースは続出しているはずです。
広瀬さん
お忙しいところ、早速にコメント頂きありがとうございます。MSのようにプライムブローカーがそのまま大株主名簿に出るところもあれば、広瀬さんが使っているところのように、プライムブローカーではなく、カストディアン(BONY)が名簿に出るところもあるんですね。
誹謗中傷で嫌な思いをされていると思います(本当にお気の毒です)が、嫌になってブログを止めてしまったりされないようにお願いします。
踏み上げ太郎さん
不勉強な素人丸出しの発想に、丁寧な解説をいただきありがとうございます。
無い袖はふれない、なんですね。
勉強になりました。
踏み上げさんのブログを本当に楽しんで参考にするには、英語の情報収集が出来ないとちょっとダメだな、と感じてます。でも、外国株ひろば、だんだん面白くなってきてます。
wbjさん
コメントありがとうございます。
また激励ありがとうございます。
マーケットが厳しいときは市場参加者の本性が出ますね。これは機関投資家などでも同じで普段はすました人でも急に当り散らしたりとか、そういう態度に豹変する人は結構多いです。
でもそういう風に人のこころが荒れるのも相場のうち。みんながエモーショナルになるからこそ株価が上がったり下がったりするんだと思います。
ほんらいマーケットそのものがそういう風に強弱観や煩悩が交錯した場所ですから、ブログが同じように荒れるのは自然なことのような気がします。
いいんじゃないでしょうか?これで。
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