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2008年12月29日月曜日

サティヤム・コンピュータ(ティッカー:SAY)


サティヤム・コンピュータが12月29日に計画されていた取締役会(自社株買戻しの是非を検討するために召集されるものです)を1月10日に延期しました。これがM&Aの観測を呼んでいます。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると同社はメリルリンチをアドバイザーに立て、株価テコ入れ策の検討に入った模様。同時に取締役会の人数の拡大や創業者の持ち株の希釈化なども検討されるようです。

今回の延期は「創業者が経営を退き、持ち株を売却するにあたって少しでも有利な条件を獲得できるための時間稼ぎだ」と見るファンドマネージャーも居ます。

ウォール・ストリート・ジャーナルはサティヤムの経営者が同社を他のITアウトソーシング企業に身売りする前兆ではないかと指摘しています。

「いまの場でついている時価総額が19億ドル。バランスシート上のキャッシュが12億ドル、、、。これは安すぎるから色々な噂が出るのも無理はない。」
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そもそもサティヤムの株価がこんなにボロボロになったのは同社が創業一族の経営する別会社である土建屋と不動産デベロッパーを買収すると発表したのがきっかけです。このときのカンファレンス・コールはちょっと聞き応えがありました。最初はアナリストや投資家の罵声が飛び交い、ギスギスした雰囲気でしたが、余り延々それが続くものだから次第にコミカルでアホくさいトーンを帯び、最後にはちょっともの哀しいものすら感じさせました。

この事件の後で同社の取締役に名を連ねていたインディアン・スクール・オブ・ビジネス(ISB)のM・ラモハン・ラオ学長はサティヤムの取締役を降りると発表しています。

ところでサティヤムの創業会長、B・ラマリンガ・ラジュの持ち株に関しては他の憶測も飛んでいます。ラジュ一族はサティヤムの8.6%株式を所有していることになっているのですが、どうやらラジュはその持ち株を担保に借金していて、サティヤムの株価が下がったので担保不足になり、金を貸していた銀行が場で差し押さえた担保株を処分したのではないか?という報道があるのです。(エコノミック・タイムズなど)
いずれにせよこの事件はインドのコーポレート・ガバナンスを巡る歴史的なイベントであり、今後もその結末がどうなるのか注目に値すると思います。

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