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2009年1月6日火曜日

デッド・キャット・バウンスの中間報告 (中国株)


中国株に関する僕の考えは11月5日の勉強会で述べたようにシクリカル株が反発の急先鋒になるというものでした。中国政府が景気テコ入れに本腰を入れれば「一番その恩恵を蒙るのはそれまで一番痛めつけられていたセクターに違いない」という考えがその背景にあります。(そこで言及した5銘柄については先月のべんきょう会でも再度言及しました。)

但し、これらの銘柄はあくまでもデッド・キャット・バウンスで上昇するわけで、この場合、強調すべき単語は先頭のdeadです。

つまり株価が上昇局面に入ったからと言って業績見通しが上向いているわけではないのです。中国の重工業が「死んでいる」ことに変わりはありません。中国の鉄鋼株に関しては年末も3つの製鉄会社が大同合併を発表するなどキャパシティーの整理の努力が始まっています。この合理化こそが株価の刺激材料なのであり、景気回復への期待では決してありません。

中国政府は4兆人民元にものぼる景気刺激策を発表していますが、これが中国経済の成長を助けると考えるのは甘いと思います。4兆元の撒布については10項目の重点項目が示されています。このうち地方政府が関与するプロジェクトに関しては実行が遅々として進まないリスクがあります。一般に中国の場合、中央政府が独自のイニシアチブで実行できるインフラ・プロジェクトのような案件の方が効き目が現れるのが早いです。

つまり経済構造をこれまでの重工業重視、固定資産投資重視の歪んだものから、より内需や消費に重心をシフトしたカタチに変えてゆくという長期課題とはウラハラに、目先は重工業や素材などのセクターがテコ入れの恩恵を蒙るわけです。

これはどうしてかと言えば余剰非熟練労働人口を吸収するには建設工事などのインフラ・プロジェクトが最もてっとりばやく雇用を創出できるし、労賃のリサイクルなど撒布した資金のヴェロシティーという面からもこのチャンネルが最も効率的だからです。
さて、株価の反発はこうしたかりそめの強気材料に依拠したものであるため、このラリーが腰の据わったものである保証はありません。既にロングしている方は利食いを視野に入れながらいつでも降りれる心の準備をした上で1月ラリーに付き合う姿勢で良いのではないでしょうか?

1 件のコメント:

TCP さんのコメント...

梃入れ策のプロジェクトが来年の万博を目処に断続的に実施されれば
今年発表される経済指標は良くなるのではないでしょうか?
それに伴って、短期的な期待でなく、今年の株価は底堅い展開かと考えています。
恩恵を受けるのは一部なので、肌で感じる経済感覚は厳しいと思いますが。。

あと低金利と世界中が大規模な梃入れ策を実施することを考えると
どこかでバブルが発生するような気がしてなりません。
(この感覚は未だに捨てられません。。)