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2009年1月25日日曜日

ETF誕生秘話 ①

ETFという商品はとかく「敵」が多いです。
別の言い方をすれば「ETFが成功を収めると困る」、そう思っている人が金融業界に沢山居るのです。だからこそETFはきちんと紹介される事が少ないし、誤解したままETFを中傷するコメントも後を絶ちません。さらに個人投資家が間違ったETFの使い方をしてもそれをちゃんと教育し直すことは殆んど行われていません。

そこで数回にわけてそのへんの話をしたいと思います。

お先真っ暗な取引所
僕は昔、ニューヨークのSGウォーバーグに勤めていました。SGウォーバーグは世界中の株式を広く扱うことで有名な投資銀行でしたが、隠れた「得意技」のひとつはカントリー・ファンド(=会社型投信)の調査で圧倒的に進んでいたという点です。毎年、3センチくらいある分厚いカントリー・ファンドの「電話帳(ディレクトリー)」を出していて、これはその道の人間達にとってはバイブル的な存在でした。

そのカントリー・ファンドのアナリストをやっていたゲーリー・ガストノーという人がアメリカン取引所(AMEX)に転職したときは僕はハッキリ言って奇異の観に打たれました。

「はぁ?なんでアメリカン取引所へ行くの?」

当時のアメリカン取引所はニューヨーク取引所の上場基準を満たさない、格の落ちる企業を主に扱っていましたが、ナスダックの誕生でいよいよ若い、元気の良い企業からも相手にされなくなり、没落の一途を辿っていたのです。 (あんなお先真っ暗な取引所に転職したって、、、)そういう気持ちがあったので転職するという話を聞いても素直に「よかったね!」と祝福して上げられなかったのです。

でも先見の明が無い馬鹿は僕の方で、彼は二手も三手も物事の先をしっかり読んでいました。

僕が気がつかなかったことは当時既にアメリカン取引所は「イッパツ逆転ホームランのウルトラC」を着々と画策していたということです。その「ウルトラC」とは、デリバティブやファンド商品などの新しい証券を扱うことで挽回を図るというものです。

(ゲーリーは後にアメリカン取引所の偉い人になって、いろいろな上場型投信についての著作も残しています。言わば上場型投信の理論的な礎を築いたひとりなわけです。)

2 件のコメント:

nicollo さんのコメント...

>誤解したままETFを中傷するコメントも後を絶ちません。

意外なETF嫌いの中にミューチャルファンドの雄、ヴァンガードのジョン・ボーグルもいますね。
個人の取引回数が増加することを嫌っているようですが、流動性は無いより有ったほうがいいと私は思うので、ボーグルおじさんもヤキが回ったなと思った次第です。(笑)

踏み上げ太郎 さんのコメント...

nicolloさん

いつもコメントありがとうございます。
ヴァンガードは素晴らしい会社ですね。ただETFに関しては初動を誤ったがために大幅に出遅れてしまいました。

長期投資派の人でETFを悪く言う人が多いですが、別にETFで長期投資やっても良いし、また短期でトレーディングしても良いわけで、或るひとつのスタイルを全ての投資家に押し付けることは出来ないと思います。

また同業者でETFを悪く言う人の大半の本心はETFの登場で自分の運用フィーが値下げ圧力を受けることを逆恨みしているからです。