ロシアの天然ガスの生産は西シベリア地域に集中しています。そこからモスクワ、さらにヨーロッパへと天然ガスが輸出されるわけですけど、その輸送距離が極めて長いため、パイプラインへの設備投資に莫大な金額がかかります。
現在のガスプロムのパイプライン網の資産価値は5000億ドル程度だと試算されています。ロシアは1970年頃からパイプラインの幹線への投資を開始し、1984年頃まで年々設備投資予算を増額してきました。しかし80年代後半にロシア経済がスランプに陥った際、パイプラインへの設備投資も激減しました。今でも設備投資額はピーク時の数分の1程度です。輸送コストは天然ガスの販売価格の約70%程度を占めます。
西シベリア地域ははオビ川の流れ込むカラ海を中心にして右下半分と左上半分に2分されます。このうち右下半分は1965年から天然ガスの生産が開始されています。なお、ガスプロムの前身である天然ガス省が発足したのも1965年のことです。
ウレンゴイ・ガス田は埋蔵量177兆立方フィートと言われ、ロシア最大級のガス田です。1966年に発見されました。
ウレンゴイ・ガス田からの天然ガス生産がガスプロム全体の天然ガスの生産のどれだけを占めているかを示したのが2番目のグラフです。ウレンゴイは一番下にあります。現在生産量という点で最大級のガス田です。
ウレンゴイと並んでロシア最大級の天然ガス田がヤンブルグです。埋蔵量は157兆フィートと言われています。1972年の発見です。
次がメドヴェージェ・ガス田で、埋蔵量は54兆立方フィートといわれています。
最後がザポリヤルノエ・ガス田で、埋蔵量は94兆立方フィートです。発見は1965年です。
現在生産中のガスプロムの主要なガス田は以上になりますが、2番目のグラフを見てお気づきのようにこれらの既存のガス田は今後生産を続けてゆくと段々生産量が減ってゆくことが予想されています。従って、この生産プロフィールには記載されていない新しいガス田の開発というのが重要になるわけです。実はガスプロムは既に3つの有望なガス田を発見しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿