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2009年3月19日木曜日

ティム・ガイトナーは首になるのか?



ティム・ガイトナーが辞める、若しくは首になるというぼんやりとした噂がここ数日出回っています。

ヘンリー・ブロジットのブログで「昨日はじめて公にガイトナーの去就が議論された」と報告されています。(上のホワイトハウス報道官の質疑応答ビデオも参照してください。)

一説にはAIG問題への対応を巡ってオバマ大統領とガイトナー財務長官の関係がギクシャクしたとも。


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PS:金融関係者を中心にAIGを擁護する議論がありますが、僕はAIGのやったことは許せないと思うし、将来はAIGのフィナンシャル・プロダクツ部門は解散させるべきだと思います。

そもそも保険会社のコンピタンスというのは:

Underwriting practice
Solvency

の2つに集約されます。アンダーライティングというのは保険を引き受ける対象(例えばマリリン・モンローの美脚とか、一家のお父さんの生命保険など)で保険を実際に支払う羽目に陥る確率がどのくらいかを精査する能力です。

ソルベンシーというのは実際に保険を払う義務が生じたときに、ちゃんと自分の言葉(=保険の契約書)を守って支払が出来るか?という能力です。

AIGはこの両方の能力が欠如しています。

例えば生命保険の会社が生命保険を売っておいて、後で何らかの理由で保険の支払に応えられなくなったら、それはもう保険会社ではありません。それはねずみ講です。 AIGがやったことは基本的にそれと同じ。

政府に尻拭いして貰いながら、「われわれは保険会社だから契約は守らないと、、、」というのは順序が逆です。

もっとも、ある程度オツムのある機関投資家なら不動産市況が悪化した場合、AIGが自己資本の何十倍もの資本を吹っ飛ばしてしまうような危ないことをやっているのはカンタンに気付いた筈。するとそれを重々承知でCDSを購入しているということは、初めから政府のベイルアウトをアテにした行為としか思えないわけで、これこそ究極のモラルハザードの姿。

キャピトルヒルの議員さん達が問題にしているのは、そういう悪意に満ちた「お客さん」にみすみすアメリカ人の血税を渡して良いのか?ということじゃありませんか。 ねえ、ソジェンさん?

2 件のコメント:

春山昇華 さんのコメント...

メリルのボーナスもらう査定が終わってから証券の根付を引き下げる行為がありましたが、AIGも同様な腐った精神構造だと思います。
日本でもUBSにいた10億円プレーヤーがメリルと同様のズルをやって他社に転職したと聞きました。
モラルとか、道徳とか、無いのが彼らの人生哲学なのでしょう・・

広瀬隆雄 さんのコメント...

春山さん

やっぱりメリルのマーク・ダウン、マーク・アップの話、もうお耳に入っていますか。

あんな八百長野球みたいなことやっていて、下手したら豚箱行きですよ、あいつら。

世間の空気が読めてないにもほどがある。


CDSはビジネスとして成立する基本要件が殆ど崩れていますからちょうどドットコムのIPOが根絶したのと同じでビジネスとしては根絶されるだろうと僕は考えています。

ならばドットコムの時と同様、もうクウァトローンやメアリ・ミーカーは不要。
AIGの連中は自分たちがもはや世間から必要とされていないということに気が付いていません。