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2009年5月30日土曜日

消費ショックが来る







勉強会などで喋ってきたことですが、今回の不況では世界各国の政策対応(policy response)が極めて迅速で、断固としたものでした。これは良いことです。
その結果として各国とも財政収支は相当醜悪になる(一番目のグラフ)し、もうオケラなのでこれ以上は余り大盤振る舞い出来ません。
景気に明るさが見え始めたとはいえ、失業率(二番目のグラフ)は改善するのがいつも最後になるので、今後も当分の間悪化すると予想されています。
消費者のマインドは主に2つの要因で動かされていると僕は考えています。ひとつは「職の安全」。もうひとつは住宅の値上がりからくる「含みが増えているかどうか」ということ。住宅価格は下がっているので、この面での援護射撃は期待できません。それどころか、最近では住宅ローン金利がジャンプしています。これは住宅市場の回復に水を差すに違いありません。その一方で住宅ローンの返済の遅滞は増えつつあり、消費者がプレッシャーを受けている(三番目のグラフ)ことを示唆しています。
いま世界の株式市場は好調です。とりわけコモディティーとかは値を飛ばしました。その理由ですが、素材のところは新興国からの需要が回復するとすぐにキャパシティーにタイト感が出るという構図になっているからじゃないかしら?と思います。
しかしこれが中間の加工業者となると過剰設備は慢性的であり、収益性も構造的に脆弱な気がします。
いま消費は「思ったほど、悪くない」ということで皆、浮かれた気分になっていますが、本当にポジティブなのはアイフォーンやブラックベリーに代表されるスマートフォンなど、ごく一部のアイテムだけです。
例えば好調が伝えられるベストバイ(BBY)ですら、副店長のポストをひそかに廃止しています。
いまガソリン価格はどんどん上昇しており、再び消費者の懐が痛み始めるのはそう遠いことではないと思います。



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