新興国ではいま、新しくミドルクラス(中流)に加わる人口が急増しています。日用品の国際的ブランドであるユニリーバ社によると「むこう10年でミドルクラスは10億人増える」のだそうです。日本の人口が1.2億人ですから日本の総人口の8.3倍に相当するわけです。
去年より今年、今年より来年と言う風にどんどん所得が伸びている国では消費のパターンは上昇志向型(Aspirational)になります。そういう言い方でわからなければ、常にワンランク上のモノやサービスを庶民が志向すると言えばイメージが近いかも知れません。
まだまだ新興国の人々の所得水準は低いですからワンランク上と言っても一足飛びにラグジャリー・グッズを消費できる層は少数派です。(もちろん、この部分も急速に増えてはいますけど。)
最近、折にふれて、新興国のテレビCMのYouTubeビデオをこのブログにも掲げますが、それらを見ると新興国の人々の願望が大体掴めます。中でも「家族や友人とつながりたい」というコミュニケーションに対する願望はとりわけ強いです。そもそも固定電話すら無かった土地に、一足飛びに携帯電話が普及する、、、そういう現象は発展途上国では「例外」ではなく、ごくノーマルに見られることです。
新興国の新しい消費者に関連する銘柄というのは値動きという点では余り激しくないです。だから普段はどうしても素材とか工業株とかでドタバタ売り買いする方に目が行ってしまいます。
それと新興国の携帯電話会社はいずれも過去数年の間に普及率が急増するスウィート・スポットを通過してしまい、今は急成長から巡航高度での飛行に移っています。携帯電話会社の株は新興国の消費というテーマの中では極めて大きな地位を占めているので、ここが株価的にエキサイティングで無くなると、とたんに投資家の関心が薄れるわけです。
それらの理由からいまは新興国の消費者のテーマは株式市場での影が薄いです。でも今後もずっとそうであるか?と言えばそれは違うと思います。なぜなら世界全体としての消費構造の変化(=それはつまり米国の消費者への過度の依存の是正ということです)は長い時間をかけながら、着実に進行してゆくテーマだと思うからです。
そんなわけでこれから数日、「新しい消費者」に関連するアイデアを紹介してゆきたいと思います。
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