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2009年6月21日日曜日

中国で最大の娯楽と言えば、、、




中国の消費者はどんどん豊かになりつつあるので、それを株式市場でプレイする方法については、アノ手、この手をいつも考えています。
でも株式市場で投資しうるエンターテイメントのカテゴリーとしては、やっぱりオンラインPCゲームが最大だし、最も健全かつ安定的に成長しているので、これを無視することは出来ません。
先ず市場規模ですが一番上のグラフのように中国のネトゲ市場は2013年までに89億ドル市場へ成長するとみられています。(一番上のグラフ:出典:IBD、ニコ・パートナーズの予想)
これは年率26.4%の成長率です。
なぜ中国でこれほどまでにネトゲが流行っているのか?という点ですが、それは「一時間当りの代金に換算すると30円から40円程度だから」なのだそうです。ひとりのゲーマーが年間にネトゲに消費する代金は$52と言われています。
もうひとつ大事な点は中国ではソフトウエアの海賊版の問題があるのでディスクによるPCゲームやコンソル・ゲームは余り積極的にマーケティングされていないということです。
【銘柄】
さて、中国のネトゲの株はいろいろ上場されていて、沢山の銘柄の中から選べます。その時期、その時期によって勝者、敗者が1年単位くらいで入れ替わるので、どの銘柄を選ぶかによってかなり投資成果に差が出るのがこのセクターの特徴です。現在の「勝ち組」は紹介することの多いネットイーズ(NTES)ソーフー(SOHU)、それからシャンダ(SNDA)です。
ネットイーズに関しては春先に世界の株式市場が低迷していた際に、いちはやく新高値を更新したので「ベア・マーケットのど真ん中で新値を更新している株には注目して!」と皆さんの注意を喚起した銘柄です。このところ株価的にはすこし投資家の躊躇を感じさせます。その理由はアクティヴィジョン・ブリザードから有名なヒットタイトル、『ワールド・オブ・ウォークラフト(略してWoW)』を獲得したのですけど、そのサービス開始の目途が未だ立っていないからです。
『WoW』はこれまでザナイン(NCTY)が提供してきましたが、今回、配給権を失いました。それは一見するとザナインにとってマイナス、ネットイーズにとってプラスのように見えるのですが、実際にはライセンス・フィーが高額なので、ネットイーズがこのゲームのライセンス導入で利益を出すには結構、苦労するのではないか?と予想されるのです。具体的には現在のネットイーズの利益マージン(50%+)がザナインのそれ(20%+)に近づく懸念があるわけです。(ネットイーズが幾ら払って『WoW』を獲得したかは公表されていません。)
ソーフーはネトゲ、『TLBB』を運営する子会社、チャンヨウ・ドットコム(CYOU)をスピンオフ上場しました。これは金融エンジニアリング的な色彩の強い行動で、余りそうすることの意味を感じないというか策を弄した印象を受けました。
しかしソーフーのこの分社化が市場に好意的に受け止められたのでシャンダ(SNDA)も今度ネトゲ部門(=これが売上、利益の大半を稼ぎ出しています)を別会社にしてIPOするという観測が出ています。シャンダは昔、本業が好調なときに調子に乗ってハードウエアのビジネスに参入しようとして失敗した経緯があります。ですから今回の分社計画も「また悪い癖が出た」と見る投資家も居ます。
そんな中でたぶんストーリーとして一番新鮮さがあるのがパーフェクト・ワールド(PWRD)だと思います。(真ん中の株価チャート、一番下のスクリーンショット参照)
同社は昨日、新しいネトゲ、『バトル・オブ・ザ・イモータルズ』の滑り出しが好調だとして業績予想のガイダンスを大幅に引き上げています。同社は自社で効率的なゲーム・エンジンを開発したことから比較的低コストで新しいゲームをどんどん出せるという特徴がありました。このため「ホームランではなく、一塁打、二塁打を沢山打って稼ぐ」という戦法を取ってきました。概ねこの戦略は成功し、財務的、業績的には常にピカピカでした。
ただリスクとしては常に同じゲーム・エンジンで新タイトルを創り出してきたことから、「なんとなく、、、どのゲームも同じに見える」という感想を持つファンが多かったという点です。つまり飽きられたら、すべてのタイトルが陳腐化するリスクがあったわけです。
そこでパーフェクト・ワールドはキューブというデザイン会社を買収し『バトル・オブ・ザ・イモータルズ』を出したわけです。



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