CFDのトレードを実際にする場合の注意ですが、一回に投入する資金の使用量を自分が証券会社に振り込んだ初期資金の5分の1くらいにおさえてください。このパイチャートで表現されている自分の総資産全体のことをインヴァストCFDでは受け入れ保証金と呼んでいます。その受け入れ保証金と今、自分が建てたポジション、つまりこの図の1の部分、それはインヴァストCFDでは必要保証金という言葉で表現されていますが、その2つの数字を見比べて欲しいのです。いま自分が建てた「現在のポジション」というところに出てくる必要保証金の金額を5倍した数字が受け入れ保証金の金額と同じくらいになるように調節すればいいのです。このように自分の資金の5分の1だけをつかってあるポジションを建て、残りの5分の4のキャッシュを温存したとするとそのポジションが仮にレバレッジ20倍で建てられていても自分の元本に対しては4倍のレバしか効かせていないことになります。そうやってレバレッジを調整すると良いと思います。馴れるまで、つまりCFD口座を開けてから最初の3か月くらいはこのように全体の5分の1だけの証拠金パワーを使い、大部分はキャッシュのままでトレードを練習して下さい。若し或るポジション、例えばUS30を売り立てしてすぐに利が乗り始めたとします。「これは相当下がりそうだ」と思えばもう一回、5分の1だけの証拠金を使ってポジションを増やせば良いのです。この例だと5分の1プラス5分の1で、合計5分の2のポジションになるわけです。なぜそういうチョコマカしたやり方をお勧めするかというと、レバレッジの管理の方法を皆さんに体得して欲しいからなのです。
レバレッジはリスクを増幅します。先ほどのパイチャートの例で5分の5、つまり受け入れ保証金を全部使ってポジションを建てた場合はリスクも増幅している点を忘れないでください。
トレードの結果は投資対象そのもののボラティリティーと皆さんが使うレバレッジによって決まります。ボラティリティーとは値動きの荒っぽさのことを指します。ボラティリティーの高い投資対象をトレードするときはレバレッジを下げる、逆にボラティリティーが低い投資対象のときはレバレッジを上げてパフォーマンスを補うなど、弾力的な使い方をマスターして下さい。
投資対象のことを原資産という風に呼ぶ場合があります。為替、ゴールド、株、株価指数などはすべて原資産の例です。さて、原資産はそれぞれボラティリティーが違います。たとえば為替は普通、ボラティリティーが比較的低い投資対象です。これに対してゴールドは1.65倍動きが激しいです。さらにダウ工業株価平均指数の場合、2.4倍動きます。また香港40の場合、3.4倍激しい動きをします。
約定されたらすぐに必要保証金をどれだけ使ったかを確認してください。CFDの商品が多岐にわたるとドル建てとか香港ドル建てなど、その原資産によって取引通貨が異なる場合が出てきます。すると自分が出した注文がどのくらい大きい注文なのかを実感することがなかなかしにくいのです。増してやCFDの場合、レバレッジを使えるので金額の感覚が無くなってしまうのです。これを防ぐ最善の方法は必要保証金と受け入れ保証金の大きさを確認・比較するやり方です。証拠金は円で表示されます。だからわかりやすいです。
若し自分の出した注文がこれより極端に少ない必要保証金や極端に多い必要保証金となってしまった場合、自分の出した注文を振り返ってみて、「あ、ひとくちではなく、5口の注文にした方が良いな」とか、「5口ではなく10口にしてみようか?」という風に次回から取引数量の面で適正なサイズの注文を出す試行錯誤をしてほしいのです。
幸い、CFDは普通の株式の注文などと比べると取引コストは比較的小さいし、小さすぎる注文を間違って出してしまったときのペナルティーも少ないです。だから案ずるより産むがやすしで最初は練習で注文を出してみると良いのです。後でどれだけでもやり直しが出来ます。
またポジションと心中するような積りで長い間、ポジションを持ったままにしないでください。CFD先進国の英国などでの取引データを見ると株価指数CFDの場合、大半の投資家がデイトレに徹しています。それはそうするほうが良い理由があるからで、道具の間違った使い方をしないでください。
また慣れてきたら5分の1のポジションではなく、5分の2のポジションを取ることも試していただいて構いません。ただ
覚えておいてほしいことはレバレッジを大きく取れば取るほど、使えるトレード戦略の選択肢は狭まるということです。
たとえば時間軸ひとつを例にとっても、レバレッジが大きくなればなるほど、ポジションを維持できる保有期間は一般に短くなってしまいます。するとスウィング・トレードでチャートのブレイクアウトを取りにゆくとか、そういう自然な流れのトレードがどんどんできなくなり、窮屈で身動きのとれない、リスクにがんじがらめにされたスタンスになってしまうのです。
それから今日の話の中で一番大事なことを言います。注文を出して約定が確認されたら、その直後に損切りの逆指値注文をすかさず入れてください。これは例外なく、100%実行してください。
それでは一体、どのあたりに防戦ラインを敷くのが適当なのでしょうか?
私の考えではまず自分の建値(買値、売り値)からギリギリの線を狙って損切りの逆指値を入れてみてください。防戦ラインをどこへ置くか?という問題はその人なりの好みの問題とかがあると思いますが、一般論で言えば初心者の場合は建値からのかい離は小さければ小さいほど良いです。これは野球のとき、最初からホームランを狙ってスイングを大きくするのではなく、シングルヒットを狙って小さなスイングに徹することをアドバイスするのと似ています。最初に逆指値の損切り注文を自分の建値より大きくかい離した水準に置いてしまうと、イッパツで退場を余儀なくされる危険があります。自分の建値ギリギリに損切りの逆指値を置くと、ちょっと相場がうごいたすきにすぐその逆指値に値段が入ってしまい、ポジションを持っていかれ、損が確定します。それでいいんです。最初はこの「あ、持っていかれちゃったな」という感覚を覚えてください。なおUS30、HK40、GOLDなど、CFDによってビット、アスクの価格が大きく違うので逆指値を何ポイント話して置くかというさじ加減も当然変わってきます。
さて、もうひとつ重要なことを言います。自分の建てたポジションが思惑通りどんどん儲かり、利が乗り始めた場合のことです。その場合、利が乗るに従って損切りの逆指値も切り上げて下さい。これは利が増えるに従って何度も何度も指値を変更して構わないです。
インヴァストCFDではトレール注文という機能があります。この使い方を必ず覚えてください。トレールという英語は「あとからついてゆく」という意味です。つまり予め自分のきめた「のりしろ」で損切りラインがマーケットの値段を自動的に追跡するわけです。「現在のポジション」という表示のところを右クリックするとそこからすぐ発注できますので、注文の種類がでたらトレール注文というのを選んでください。現在値から何ポイント離れたところに損切りラインを置くか?というのが出ますのでそこの数字を上げたり下げたりして指値をどのくらい現値から離れた所に置くかを決めてください。指値を何ポイント離れた所に置くかは何度か練習して最適な距離を自分で見つけてほしいのですけど、考え方のヒントを言うと値動きの荒っぽい株価指数の場合、余り指値が近すぎるとすぐその指値に入ってしまうということです。でも最初はそれでいいのです。トレール注文は利が乗るに従って自動的に指値も上がります。指値が上がるとその指値に入ってしまう可能性もまた高くなるのですが、入ってしまえば、入ってしまって構わないです。そこで打ち止めになるわけです。大事なことは負ける場合も、勝つ場合も、指値によってマーケットに自分のポジションを持って行かせることを学んでほしいのです。自分で損をぶった切る、あるいは利確するというのはソフィスティケートされたやり方ではありません。
人によっては損切りの逆指値を面倒くさいと思うかもしれませんが、そういう人はそもそも短期のトレーディングに向いていないので考え直した方がいいです。
人間は弱い生き物で損が出始めると「もう少し待ってみよう」という気持ちになりやすいです。自分はそんなことは絶対にないと自信満々の人でも実際にそういう状態になると心がくじけるものです。その場合、ポジションを立てた瞬間に損切りの逆指値注文を入れておけば、心の葛藤と戦う必要はそもそも無いわけです。トレーディングの極意は自分自身をそういう精神面で不利な状況に押しやるようなことを最初からしないという点に尽きるのです。
完璧に損切りを励行する方法はひとつしかありません。それはポジションを立てた瞬間に、つまり未だヤラレになっていないうちからロスカットの逆指値注文を入れておくことなのです。トレール注文はロスカットを励行するとともに利益の極大化にも貢献する極めて便利なツールです。僕なら毎回トレール注文を必ず使います。
精神論が出てきたのでもうひとつ大事なことを言います。昔、ゴールドマン・サックスにボブ・マニチュインという伝説的なトレーダーが居ました。彼の口癖は「ザ・ベスト・ポジション・イズ・ノー・ポジション」という言葉でした。つまりポジション・ゼロの状態こそ、心の静寂が得られる瞬間なのです。心の静寂があるときは落ち着いて相場の見通しを考えることが出来ます。でもポジションを持った瞬間に希望的観測とか不安とか、いろいろなことが襲ってくるわけです。もしうまくいかないなと思った時には思い切ってポジション・ゼロにすることを考えてください。そしてその決断は早ければ早いほど良いです。
一日のトレードが終わって寝る前には現在のポジションというところがからっぽになっていることを確認してください。手じまいしたつもりでも発注の際に取引数量を間違えて未だポジションが残っている場合があります。
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