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2009年6月24日水曜日

ウォーレン・バフェットがペトロチャイナでの成功を再現すべく気合で買い集めている株





今日のウォール・ストリート・ジャーナルに以下のような記事が出ました;
Warren Buffett's Portfolio, Now Within Reach
The investor's favorite stocks are selling cheaply
「ウォーレン・バフェットのポートフォリオが今は買いやすくなっている」
バフェットの好みの銘柄がさがっている

Mr. Buffett liked oil giant ConocoPhillips (COP) enough to invest $7 billion in the stock through the end of last year, at an average price of $82.55, according to the Berkshire Hathaway annual report. Anyone buying today can get it for about $41.
Mr. Buffett has conceded an "unforced error" in buying this oil stock when oil prices were booming. But that doesn't mean he has given up on it. In his last comments on the subject a few months ago, he reiterated his belief that demand for energy would remain strong. At current prices ConocoPhillips is about 13 times this year's forecast earnings, but analysts predict that will drop to a cheap 7 times in 2010. That's because they believe oil and gas prices will rebound.
バフェットは石油大手、コノコ・フィリップス(ティッカー:COP)を約70億ドルを投じて去年の末まで買っていた。バフェットの平均買い付けコストは82.55ドルだ。でも現在は同社株は41ドルで買える。
バフェットは原油価格が高い時に買ってしまったという「まちがいを認めた」が、それはバフェットがコノコから撤退するという意味ではない。数か月前にもバフェットはエネルギー価格は高止まるという見方を示している。現在、コノコは今年のPERで13倍で取引されているが、2010年のPERでは7倍だと多くのアナリストは見ている。
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以上はWSJの抜粋引用ですが、このバフェットによるコノコ・フィリップスの「気合買い」については先日開催したCMCマーケッツ社主催のCFDセミナーでもお話させて頂きました。なお、コスト・ベースではコノコ・フィリップスは現在のバフェットの全ての上場企業ポートフォリオで最大のポジションです。
バフェットがコノコ・フィリップスに投資している理由は2つあります:
1.コノコ・フィリップスはルクオイルに「裏口」から投資する方便だということ
2.コノコ・フィリップスそのものも、ルクオイルも、両方とも極めて割安だということ
です。
まず最初の円グラフはコノコ・フィリップスの地域別確認埋蔵量ですが、ロシアが一番多いことがわかります。これはコノコ・フィリップスがロシアのルクオイル社の発行済み株式数の20%を支配しており、それを案分比例させて反映させるとこういうグラフになるのです。
ルクオイルは確認埋蔵量で上場企業としては世界最大を誇るペトロチャイナ、アメリカのエクソン・モービルに次いで第3位です。(2番目のグラフ)
次にそれぞれの株の時価総額を確認埋蔵量で割り算すれば、株式市場での投資家が1バレルの確認埋蔵量当たり幾らの株価を支払っているか(3番目のグラフ)がわかります。これだとルクオイルは飛びぬけて割安です。
2番目に割安なのは同じくロシアのロスネフチです。でもコノコ・フィリップスが世界で3番目に割安になっている点にも注目して下さい。
それでは割安放置されているこれらの銘柄が駄目な会社なのか?ということですが、僕はけっしてそうは思いません。4番目のグラフは2002年から2007年にかけての世界の石油会社の生産量の成長率を示したものですが、コノコ・フィリップスとルクオイルが最も生産を伸ばしていることがわかります。
「結局、バフェットはルクオイルが買いたかったのかなぁ?」と僕は思います。でもルクオイルはロシアの企業ですのでやっぱり正面切って買いに行くとバフェットのような有名人になるといろいろ不都合もあるし、批判も受けると思います。そこで庶民にはわからないように「裏口」から投資しているというわけ。

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