中国は積極的に世界の資源・素材企業の買収・提携を進めていますが、今週も:
①CNPCがスペインのレプソルのアルゼンチン子会社、YPF(ティッカー:YPF)を買収することを検討中
②CICがカナダのテック・リソーシズ(ティッカー:TCK)の17%株式を取得
というニュースがありました。
このうち①のCNPCによるYPFの買収検討のニュースは、ハッキリ言ってどこにCNPCの狙いがあるのかいまひとつピンと来ませんでした。ちょうど20-FがSECに提出されたばかりでもあり、もう一度読み直してみたのですが、YPFの生産プロフィールはお世辞にも良いとは言えないし、リザーブ・リプレースメントにも頼りなさを感じます。
これと対照的にCICが部分買収を試みているテック・リソーシズの方は明らかにシナジーがあります。というのもテックは製鉄の際に必要となるコーキング・コールでは有数の輸出業者だし、近年、中国における陸揚げ施設の充実に力を入れてきたからです。
テックと聞くと銅や亜鉛のイメージがあるのですが、実際には09年第1四半期の営業利益の68%は石炭部門から稼ぎ出されています。
テックのコーキング・コールはカナダの西海岸、バンクーバー港に比較的近い炭田から採っています。これをバンクーバーから輸出するわけです。
中国の製鉄業者は中長期的に見て原料を海外に依存する比率が高くなるだろうという考えから沿海地域への工場移転を進めています。
これらのことから今回のCICによるテックの株式取得には「うんうん」と頷けるものがありました。
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