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2009年9月6日日曜日

ASML(ティッカー:ASML)









ASML(ティッカー:ASML)はオランダの半導体製造装置の会社です。同社は「ツインスキャン」と呼ばれる、計測と露光を並列で行い、作業効率を高めるシステムを5年ほど前に発表してマーケットシェアをぐんと伸ばしました。

そのASMLは液浸露光(イマージョン・リソグラフィー)の技術でさらにリードを広げました。液浸とは空気よりも水の方が屈折率が高いことを利用してより微細な加工を可能にするものです。

現在ASMLが32ナノメターの線幅の半導体の製造の際の主力機種として位置づけているのはツインスキャン+液浸+ダブル・パターニングと呼ばれる二度加工技術を組み合わせたNXTという製品です。

そして将来的には波長13.5ナノメターという極端紫外線を利用したEUV露光装置を軌道に乗せたい考えです。

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長期の展望については①NANDがPCやサーバに採用されはじめること、②BRICsからの需要の伸びが期待されることなどから露光装置の需要は一番上のグラフのように増加することが予想されます。

しかし足下の業績は2009年の上半期の売上を見てもわかる通り、とても厳しいものになっています。(二番目のグラフ参照)

幸い、受注残は今年の1月をボトムとして漸増傾向にあります。(三番目のグラフ)

また、DRAMやNANDの価格が上昇していることからいずれ生産能力の拡充を目的とした露光装置の発注が再開されることも期待されます。

現在の受注残の内訳をみると液浸露光装置の割合が圧倒的に高く、しかも需要先で言うとメモリーのメーカーが多いです。これはDRAMやNANDがテクノロジー・ドライバー(最新鋭技術の商業化の先兵となること)の役割を果たしていることを示しています。

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