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2009年9月27日日曜日

『バロンズ』に日本に対して悲観的な記事が出ました


アメリカの権威ある投資週刊紙、『バロンズ』に日本に対して悲観的な、かなり大きな記事が出ました。
僕はもう20年以上毎週必ず『バロンズ』を読んでいますが、日本に対するこれだけネガティブな記事が出たのは少なくともここ数年では記憶にありません。とっても残念です。
月曜日に株式市場でも話題になると思うので、抄訳しておきます、
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「日本の日は沈むか?」 ジョナサン・ラング
一部識者によると日本の国債のデフォルトは単なる可能性ではなく、だんだん現実味をおびている。日本を救うことはできるのか?
(中略)
多くの投資家にとってそのような悲観的なシナリオはばかげていると感じられるかもしれない。しかし日本の経済は1990年以降、ずっと低迷している。(中略)それ以降、日本政府は巨額の景気刺激策を実施した。そしてそれが巨大な構造的財政赤字をつくり上げた。日本の国家負債はGDPの217%であり(上の表参照)、アメリカの81.2%、G20の72.5%より大きい。今後40年の間に日本の人口は20%減少し、就業年齢の人口は41%も減少すると予想されている。
もちろん、日本が深刻な問題に直面するだろうという議論には反論もたくさんある。日本の負債比率は高いが、その95%は円建てであり、国内での借金である。日本の貯蓄水準は高いので、アメリカのように中国や日本人のお世話になることはない。また日本の債券の多くは日本政府の機関や政府関連の投資主体によって保有されているので債務は二重に勘定(double count)されている。
日本の10年債の金利は1.3%に過ぎない(アメリカは3.4%)ので利払い負担は比較的小さい。リチャード・カッツによれば日本の利払い負担額は現在過去20年で最低となっている。
(中略)
カッツによると「弱気筋はアルマゲドンのシナリオを唱えているが、日本が急激に危機に陥る可能性は低い。日本は1兆ドルの外貨準備があるし、貿易収支も黒字を保っている。」
(中略)
しかし日本が改革できる可能性に関しては疑問の声を挟む向きもある。ハーバード大学ケネディー・スクールのウイリアム・オーバーホルトは日本のデフォルトは単なる可能性ではなく、だんだん現実味をおびつつあるとしている。彼によると「日本の負債は今後も増加することが運命づけられている。なぜなら年金の積み立て不足や市町村の財政破綻の面倒を国がみなくてはならないことは確実だからだ。」
「日本は投資家のセンチメントがこれまでの落ち着いたものから急激に悲観へと転ずる転換点にどんどん接近している。日本国債は世界経済の歴史で最大級のバブルだったということが判明する羽目になりかねない。」
ゴールドマン・サックスの山川氏は最近のレポートの中で日本の国債の金利が名目GDP成長率に比べて恒常的に高くなるリスクに警鐘を鳴らしている。これは雪だるま式に政府の利払い負担が増える結果になりかねない。民主党の景気刺激策の影響もあって日本の財政赤字はGDPの10%を超える状態が向こう3年くらい続く可能性もある。「これが財政破綻につながるリスクもある」とゴールドマンのレポートは書いている。
(中略)
20年近い景気の低迷とデフレの中で日本の人口は今後かなり激しい減少を見ると予想される。(上のグラフで赤を参照)
また、就業年齢の人口の減少は全体の人口の減少より早いペースになる。
日本は伝統的に移民政策に対して抵抗感をもっているので、人口減と相まってGDP成長をねん出するのはどんどん難しくなる。
(中略)
「日本政府は競争力のある産業のプロモーターという役割から負け組産業の保護者という立場にかわりつつある。」
(後略)


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