今日、ちょっとおやっ?と思わせるディールがありました。
それは世界最大の金鉱株であるバリック・ゴールドが実質的にシルバーを「売りつなぎ」したからです。
具体的にはバリック・ゴールドがアルゼンチンとチリの国境線に所有しているパスカラマ銀山の将来の生産をシルバー・ウィートン(SLW)という小さい企業に6.25億ドルで売り渡したのです。
このディールでは先ずバリックが2.12億ドルをキャッシュでシルバー・ウィートンから受け取ります。そして残りは向こう3年に渡って分割払いで支払われます。
さて、パスカラマ銀山の生産は2014年から開始されるというスケジュールになっていますから、現在、この資産はキャッシュフローを生み出していません。
それではシルバー・ウィートンはどうやって初回頭金である2.12億ドルをねん出したのでしょうか?
それは「ボート・ディール」と呼ばれるブロック・トレードで2.5億ドルの新株を発行することで賄われました。
つまりうがった見方をすれば、シルバー・ウィートンは株主から「前借り」してこの費用を支払ったことになるのです。
バリック・ゴールドの創業者はピーター・モンクという人ですが、この人はソロバンがメチャクチャ上手い人です。1980年代にゴールドの価格がどんどん下がっているときにゴールド・セールでどんどん「前借り」して、そのキャッシュでバリックを大きくしました。
そういう老獪な男が売りに回ったというのは気をつけておくべき事だと感じました。
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