☆ ☆ ☆

2009年9月13日日曜日

ワンランク上のCFD取引 シリーズその3

CFD業界の概観
CFD取引を始める前にCFD業界がどうなっているのかを少し知っておく方が良いと思います。
前のエントリーで述べたようにCFDは英国や欧州で発達した手法です。このためCFD業者もそれらの国に本拠地を置く企業が多いです。
具体的にはMFグローバル、IGグループ、CMCマーケッツ、サクソバンクなどがあります。これに加えてFXから発展したアメリカのGFTも米国外でCFDを提供しています。
CFDは英国、欧州で先ず盛んになり、それがオーストラリアやシンガポールなどに伝播し、日本へもやってきました。
しかし米国では一般の投資家にCFDを提供することは認められていません。これはアメリカの証券取引法が機関投資家向けサービスに関しては緩く、個人投資家向けサービスに関しては極めて厳格であることによります。
アメリカの証券取引法は1930年代の不況の頃に大暴落の教訓をもとに制定されたものなので、とりわけ投資家保護の面で保守的なのです。
上に述べたようなCFD企業は自社開発のソフトウエアを持っており、このシステムを使うことによりさまざまな取扱い証券の提示価格を自動的に決定し、顧客の注文を成立させ、顧客口座の情報を刻々と更新しています。
また個人投資家からは直接見えないのですが、このシステムにはCFD会社と顧客とのとりきめの内容に応じて、CFD会社自身のリスクを軽減するためにカバー取引と呼ばれる、リスクヘッジ取引を他の金融機関と行う意思決定システムが通常含まれています。
さて、CFD業者の中には自社でソフトウエアを開発した企業と、他社のソフトウエアを導入し、自分の会社のブランドをつけて営業活動している企業の2種類があります。後者のような企業をホワイトラベル業者と呼びます。
上に名前を挙げた海外の企業以外はすべてホワイトラベル業者であると考えてよいでしょう。
ホワイトラベル業者は海外のCFD業者からソフトウエアの提供を受ける代わりに個人投資家との取引で得た売上高の一部を折半することで対価を支払う契約になっています。
このようにホワイトラベルを導入するメリットは自社でソフトウエアを開発するのにかかる先行投資負担を軽減する点にあります。
またホワイトラベル契約を結べばすぐにCFD取引に参入できるため、ビジネスチャンスを逃さないという利点もあります。
逆にホワイトラベル業者から見たこのビジネス形態のデメリットは売上高の一部をソフトウエア使用料として外国の業者へ支払うため、利幅がその分、薄くならざるを得ないという点でしょう。
また、どのような商品を、どういう条件で提供するかという点に関して自社で100%コントロールできないという問題もあります。品質管理を自分で行うことができないという風に言い換えても良いでしょう。
さて、自社でソフトウエアを開発した海外の業者がホワイトラベルのビジネスパートナーを求める理由について考えてみましょう。
先ずホワイトラベル業者と組むことで世界のいろいろな国の事情や、その国独特のマーケティング面、法制面などの知識やノウハウを提携企業にある程度任せることが出来ます。
とりわけCFD取引はFXやネット証券と同様、インターネットというチャンネルを通じてマーケティング活動がなされる場合が多いのですが、営業展開のノウハウを蓄積するのには時間がかかります。
さらにその国によって自己資本規制や顧客資産管理に関するいろいろなルールなど、必ずしも自社で全てを賄うことが効率的でない場合もあります。
これがホワイトラベルという商習慣が発達した主な理由なのです。

0 件のコメント: