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2009年10月17日土曜日

要するに日本は通貨政策の面で中国からなめられている

ニューヨーク・タイムズに「中国の輸出ブームは人民元安がもたらしており、人民元安はそもそもそれが弱いドルにペグされていることから起こっている」と題された記事が出ました。

記事中、貿易見本市である「広東フェア」の取材で、中国の輸出セクターが力強く復活し始めていることがリポートされています。しかし中国の輸出の復活は周辺国の犠牲の上に実現しているのです。
(周辺国には当然、日本も含まれます。)

それはどうしてかというと中国は上のニューヨーク・タイムズによるグラフのように、人民元を弱いドルにリンクしているからです。この管理通貨政策(*)を続ける限り、他通貨に対して人民元は弱含むわけです。

弱い人民元は輸出の面では競争力を増す要因となります。これこそが中国政府の狙いです。

従って中国の輸出の復活はマーケットのパイそのものが戻ってきているというより市場占有率の上昇によるものなのです。

ここ数日、人民元のNDF(ノン・デリバラブル・フォーワード)市場における価格は上昇しています。それは人民元が強いからではなく、「人工的に弱くされ過ぎた人民元」に対するアジア諸国からの批判の風あたりが強くなったことへの対応に他なりません。

(*)それにしてもオモシロイのはこれまで秩序だったペースで人民元を切り上げる筈だった中国政府はリーマン・ショックで輸出に異変が出そうだと見るや、即刻、この「譲歩政策」を止め、完全なドル・リンクに逆戻りしてしまった点です。

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