野村證券が「オカマ(*)みたいなネイル・ポリッシュをして会社に来てはいけない」という社内メモを出したことがイギリスのタイムズ・オブ・ロンドンで記事にされ(上を参照)それがツイッターで回し読みされているのです。最近のニュース記事は読者がそれにコメントを投書できるので、いろいろなコメントが寄せられています。そのひとつを紹介すると:
F.M. Luder wrote:
As a gay man, I'd be annoyed to say the least.But as a libertarian; fair do's. If you want to run your company like antediluvian morons, be my guest.
As a gay man, I'd be annoyed to say the least.But as a libertarian; fair do's. If you want to run your company like antediluvian morons, be my guest.
僕はゲイなのでこの記事にはムカつきました。でもリバタリアンのひとりとして言わして貰えば、彼らがそういう社内ルールを出したいのなら、それは彼らの自由だ。前時代人(=antediluvian→これはbig wordですね!正確にはノアの洪水以前に生きていた人という意味)で低能なやり方で(買収したリーマンの社員を)取り込もうというのなら、それは好きにすればいい。
■ ■ ■
もちろん、たかが社内通達をイシューしただけなので、その通達を書いた人はまさかツイッターで世界中にそれがばらまかれるなど思いもよらなかったでしょう。その意味ではとても気の毒だと思いました。
でも「リーマンを盗って、世界に出る」と決めた以上、世界に通用するルールで勝負しないと1年以内に「空箱」になると思います。(断っておくと僕は野村のこの大胆な試みを支持します。日本全体がうつむき加減になっているとき、野村だけが豪放な野望を抱いていることは大変結構。)
この種のM&Aでは買収される側、買収する側の社員の間で主導権争いの抗争がおきるのが普通です。旧野村社員が先輩風を吹かせることは悪いことではないと僕は思います。また、最終的にリーマンの社員が全部去っていっても、それは弱肉強食の投資銀行の事、強い者が残るのは当然です。
しかし、、、
今回の買収は誰に強制されてやったものでもなく、野村證券が自分の発案で乗り出した事業です。しかも事後になってから公募増資で株主にその帳尻を持ってゆきました。いやしくも証券業にかかわるものとして、この順番(=事前説明も無く会社の資本政策に影響を与える決断を下し、後に公募という既存株主にとって不利な方法で資金調達したこと)の不首尾は、今後何度も同じことをやると株主から愛想を尽かされる類のものだということを肝に銘ずるべきです。つまり野村には「後が無い」し、その意味ではこんなアフォな通達など出している場合ではないのです。
60%を超えるダイリューション(株主利益の希釈化)を伴いながら公募増資したからには、もっと真剣に自分のやりはじめた、国際化路線というイニシャチブを遂行して欲しいものです。
がんばれ野村!
(*)ここでのgayは「派手な」という日本語だったのだと(好意的に)判断します。でも社内文書の原文を読んでいないのでわかりません。その「派手な」が「オカマ」に曲解されて受け止められている可能性が強いです。しかし、上の英国人の読者のコメントにもあるように、実際にゲイの人から批判が来ているわけですから風評面でのダメージは既におきてしまったと考えるべきでしょうね。
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