日本の運用業界や証券界は(ETFは金儲けの邪魔だから、、、余り個人投資家に知恵をつけない方が得策だぞ)とダンマリを決め込んでいるフシがありますが(笑)、そういう事は長く続かないと思います。
僕がとりわけ憂慮しているのはETFの持つ、In-kind creation(現物持ち込みによるETFの発行)という特徴が:
①株式委託手数料の外在化
②ポートフォリオのメンテナンスのノウハウの外部化
を伴うという点です。
ETFの運営のコストが安いのは、そもそもファンド内で株を売り買いしないからです。株の売り買いのコストはAP(指定参加者=投資銀行やヘッジファンドなど)のアービトラージのコストの中から賄われます。
APはいかにそのアービトラージのコストを削減し、結果として利益を極大化するか?という問題に関して、トヨタ風のカイゼンに励み、ノウハウを積み上げているのです。それはAncillary business(裾野産業)が広がりを見せていることを意味します。
その一方でポートフォリオ・トランジッションなどの、一昔前の最先端ノウハウは「用なし」になりつつあります。
つまり日本の金融界におけるETFの導入の遅れは「ガラパゴス化」を加速させる結果になるのです。
2 件のコメント:
証券会社が嫌がっているのはETFだけでなく、CFDも同様みたいです。
日本ではCFDのレバレッジ規制が年末までに公布、来年末から施行されるかもしれません。
現在パブリックコメントを募集中の様です。
もちろん、推進しているのはCFDを嫌がる日本とアメリカの証券会社、
そしてそこで役員として駄賃を貰う金融庁退職者でして、
これが今の日本の証券界の姿です。
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/livemarket2/1250846620/n734-
16さん
貴重なコメントありがとうございます。
CFDのレバレッジ規制の話は僕も読みました。正直、ホッと安堵しています。今回の金融庁の判断は正しいし、個別株CFDで5倍、株価指数CFDで10倍というレバレッジはちょうどいい倍率のように思います。
たしかにレバレッジというのは上から押し付けられるものではなく、投資家ひとりひとりに決めさせて呉れる自由があるべきものかも知れません。
でも最初慣れないうちにレバをかけ過ぎて失敗してしまう人も出てくると思いますし、そういうリスクを顧みずどんどん高いレバレッジをオファーする業者が出てこないとも限りません。
業界がひん曲った方向へ伸びるくらいだったら、少しスローダウンしても足元を踏みしめながら育んで行く方がいいのでは?というのが僕の気持ちです。
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