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2009年11月17日火曜日

なぜ今回は人民元が切り上げられなかったのか?

オバマ大統領の訪中で(すわ人民元が切り上げられるぞ)という観測が出ましたが、今のところ新しい動きは出ていません。

もちろん、これを書いている間にも何かが発表される可能性は無くはないですが。(笑)

なぜ発表が無かったのかの後付け講釈を書きます。

先ず中国政府は市場が(くるぞ、くるぞ)と思っているときに、その予想通りの動きをすることを特に嫌います。

二番目の理由として中国は人民元安の状態をできるだけ延ばしたいと常に考えています。これを甘く見てはいけません。

三番目にオバマ大統領が個人的にプッシュしたかったアジェンダは人権問題や言論の自由の問題であり、それに関して耳にタコが出来るくらい中国に注文を付けた行きがかり上、人民元問題をゴリゴリ押すと(やりすぎ)になってしまう、、、そこでテキトーにお茶を濁したという事です。

四番目に中国側はオバマ大統領のスタイル(カリスマ性とか庶民に「つながる」能力など)を恐れていて、今回の訪中ではオバマ大統領がそれらを発揮しないよう、厳重に日程が管理され、がんじがらめになったという点です。それでオバマも盛り下がったという面があったと思います。

五番目に(これが最も大事なポイントですが)オバマは人民元問題や財務省証券を引き続き購入して貰う云々の問題よりもっと緊急に中国の同意を得たい事項が存在したということです。それはイランに対する経済制裁です。中国がイランの石油を買っているうちは各国が協調して行う経済制裁の効果はありません。ロシアは今回のシンガポールのサミットで制裁反対派から賛成派に大きく転換したと言われています。残るは中国だけ。

この点に関して、成果があったのか、無かったのかはいずれおのずと明らかになると思います。
若し各国協調しての経済制裁が成立すれば、その最大の「功績者」であるロシアには大きな見返りがあるはず。ロシア株が俄然、動意付くと思います。

1 件のコメント:

RBP さんのコメント...

五番目が一番重要というのは納得できますが、三番目は重要だったんでしょうか。重要なら人権活動家と会ってもよかった気がするのですが。