「きみ、最近、日本株が世界の株式市場より出遅れているそうじゃないか?デカップリングの原因はなんだ?」
「どうも最近のドル安で輸出企業が苦しんでいるのを市場が嫌気したようで、、、」
「そんなのは理由にならん!逆に言えば内需企業にとってフォローの風ということだろうが。」
「問題はEPSの上方修正・下方修正なんです。株式市場が最も敏感に反応するのは経済をどう修正してゆくかというお題目ではなく、足もとの企業収益ですから、、、」
「フン、わかったような口をききやがって。じゃ、どうすりゃいいんだ?」
「実はとっておきの案を温めているのです。」
「もったいぶった言い方するな。はよう言わんかい!」
「アメリカにリーマンの空売りで儲けたとっちゃん坊やが居るんです。」
「そんなもん、リーマンの空売りで儲けたやつなんて、そこいらにゴロゴロ居るんとちゃうか?」
「いや、とっちゃん坊やは違います!アイツはリーマンが破たんする前からリーマンの財務部長を無能呼ばわりして解任させるとか、とにかく、立ち回りが上手いし、ヘッジ・コミュニティーに神通力を持った男です。」
「それと日本株再生シナリオと、どう関係があるねん?」
「実は、、、とっちゃん坊やを使ってみようかと思っているのです。」
「ほほう。」
「今度、アメリカの大きな投資カンファレンスでとっちゃん坊やがスピーチするのです。その機会に日本の直面する危機について彼がペラペラしゃべるよう、チョッと入れ知恵してみようかと思っているのです。」
「ばあか!そんなことしたら、ぶち壊しだろうが。寝た子をおこすような事して、どうする?」
「局長、ポイントは為替なんです、為替。長期金利の上昇や借り換えコストの上昇の問題はじんわりとしか顕在化しない不都合です。でも市場の為替に対するエクスぺクテーションに働きかけることが出来れば、輸出株は買われます。」
「だけんど不勉強な日本の証券界に、とっちゃん坊や言うても誰も知らんのとちゃうか?」
「大丈夫です。そんな事もあるだろうとおもって断る力おねえさんを既に推挙しています。」
「断る力おねえさんって、あのアラサー世代の女性にウケているモノ書きのことか?」
「そうです。彼女は最近、ツイッターに凝ってまして、、ヴァイラルです!」
「じゃが、難しい議論はひとりごとにはむかんだろう?」
「キャッチーなコンセプトを用意してあるんです!」
「なんだ、それは?もったいつけずに早く言え。」
「1ドル120円の固定相場を主唱させるのです。」
「そんなアホな!」
「荒唐無稽だからいいんです。これなら突飛すぎるので、無害です。」
「ふん、そんなものか」
「要するに世論を円安支持にもっていけばよいだけで、、、」
「勝手にしろ。でも失敗したら九州に飛ばすぞ。」
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