☆ ☆ ☆

2009年11月14日土曜日

セブンデイズ・グループ(SVN) IPO


セブンデイズ・グループは中国第3位のバジェット・ホテル・チェーンです。11月19日前後にNY市場にIPOされる予定です:

今回発行株数: 1010万株
普通株対ADR比率: 1:3
初値設定: 9~11ドル
シンボル: SVN
ロックアップ: 180日
値決め: 11月19日前後
幹事: JPモルガン、シティ

同社は現在、中国第3位ですが来年には第2位を狙っています。今回発行される株式は全部新株で、既存株主は持ち株を売りません。

セブンデイズは成長率では中国のホテル中ナンバーワンです。それと同時に安定したオペレーティング・パフォーマンスを記録しています。
同社の特徴は過去に同ホテルを利用した顧客に対するメンバーシップ・プログラムを展開している点で、現在、870万人がこの「得意客プログラム」に参加しています。セブンデイズのホームページはバジェット・ホテルのHPとしては中国最大です。マーケティングの大半はウェブ・ベースで行われ、予約の6割はネット経由で獲得されます。またSMSやソーシャル・ネットワーク・サイトなどもフルに活用し、顧客の満足度を上げるべく努力しています。
リピート・ビジネスが極めて多く、旅行代理店などのサード・パーティーからの予約は全体の1%に過ぎません。旅行代理店から回ってきた予約に関しては部屋代の10から20%を旅行代理店のフィーとして支払わないといけないのでウマ味の無いビジネスです。
現在、同社が運営しているホテルは全部で283あります。また主にリース&オペレートという所有形態をとっており、ホテルの不動産は所有しません。
これに加えて「マネージド・ホテル」という、ブランドを貸し、運営ノウハウを供与する代わりに、一定のマネージメント・フィー(売り上げの5から7%)を受け取るビジネス・モデルも今後増やしてゆく予定です。

セブンデイズのベンチャー・インベスターは米国のウォーバーグ・ピンカスでこれまでの全てのラウンドに参加しています。
中国のホテル市場はフラグメントされており、人口300万人以上の都市が全部で250あるためまだまだ成長の余地は大きいです。また中国には沢山の独立系ホテルがあり、それらは集客ネットワークが無いため、セブンデイズなどのチェーンに参加したいという意欲が強いです。セブンデイズはブランドとノウハウを供与することで彼らの生産性を高めることが出来るのです。

この「マネージド・ホテル」のビジネス・モデルではホーム・インズ&ホテルズが先行していますが、セブンデイズもしっかりとしたブランドならびに標準化された経営手法が確立しているため、今後、急速にキャッチアップできると思われます。現在の各社のマーケット・シェアは:

HMIN12%
ジンジャン6%
セブンデイズ6%
となっています。
セブンデイズはホテルを建設する際、同じデザインの建物を各地に建てることで、部屋や建物の設計の時間や調度品の調達に費やされる時間を最小限にしています。
また、同社はバジェット・ホテル・チェーンの中で最もローコストの会社で、家賃、スタッフコストとも最低です。また一部屋当たりの設備投資総額も7600ドルと低いです。セブンデイズの客室稼働率は90.5%でRevPARは145です。
業績に関してはこれまでは先行投資局面だったので営業赤字です。普通、従来のホテルをセブンデイズのホテルに改装するには4カ月かかります。その間、人件費や家賃は持ち出しになります。そして改装後、新装開業し、1年間はビジネスは低調です。大体、1年が過ぎたあたりから稼働率はどんどん上がります。これまでは殆どのホテルが改装して1年経っていなかったため、赤字でした。でも長期的には30%のEBITDAマージンが確保できると予想されます。

0 件のコメント: