上のグラフはあくまでも「Back of the envelope」の概算です。でも今回のバーリントン・ノーザン(BNI)のディールがいかにウォーレン・バフェットの投資母体であるバークシャー・ハサウェイの投資ファンドとしての性質を根本から変容させるか、そのインパクトの大きさを理解して貰うために敢えて不完全なまま出します。(バーリントンの買収コストは負債の引き取りを含みます。既存株主には二段構えのエクスチェンジ・オファーとオプトアウト条項が盛り込まれます。)
しかし、このディールのアグレッシブさはどうでしょう?
バフェットの獰猛な部分、投資家としての胆力を改めて垣間見た気がしました。
2 件のコメント:
何度か、オンラインセミナーに参加させて頂いたshinと申します。
BNIを数年前より、Buy&Holdしております。今日Newsを見て吃驚です。
米国株のTOBは、初めてなのですがやはり現価あたりで売ってしまう方がよろしいのでしょうか?
初歩的な質問ですが、教えていただければ幸いです。
Smile SHINさん
良かったですね!
こういうTOBの場合、最初に考えるべきことは:
「このディールが成就するかどうか?」
です。
バフェットの場合、信用力はOKですから買収資金の調達は苦も無くできるでしょう。
次に独禁法などの関係でM&Aが出来なくなる可能性ですが、これもバフェットは他に鉄道株を持っていないので問題ないと思います。
するとこのディールは成就する可能性が極めて高いと考えるべきでしょう。
実際、提示価格$100に対して現在BNIの場でついている値段は$97ですので、殆どの投資家がこのディールは成立すると考えているわけです。
一方、バークシャー(BAK.A)の株価は+1%くらいであり、通常、このような部分株式交換M&Aが発表された際、起こりがちな買収側企業の株価の急落はありませんでした。
これもバークシャーの投資家の大部分がこのディールを良いディールであり、引き続きバークシャー株を保有したいと願っていることの現れです。
すると提示価格$100と場での価格$97は一体、何なのだ?ということですが、その一部はtime value of money、つまり待ち時間のコストです。(ディール自体が成立するのは来年になります。)
ここで大事な点はSmile SHINさんの税金対策です。
若しキャピタルゲインへの課税(日本は10%でしたっけ?)されるのが嫌なら、BNIを持ち続け、テンダー(買い取り請求=後で書類が送られてくるはずです)に応じる方が良いでしょう。するとキャッシュ部分に関しては課税対象になるかもしれないけど(=税理士さんに相談してください)、株式交換でバークシャー株が入手できた部分については非課税のはずです。
いずれにせよ税金までかんがえれば、持ち続けていた方が得のように思います。
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