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2009年11月13日金曜日

英国航空とイベリア航空の合併を可能にした「リング・フェンス」とは?

交渉の長引いていた英国航空とイベリア航空の合併ですが、基本的には合併することで合意したようです。これによって売り上げ規模にして200億ドルの航空会社が誕生します。

このところ欧州では国を跨いだ航空会社同士の合併が相次いでおり、ドイツのルフトハンザ航空はオーストリア航空、ブラッセルズ航空、BMI航空を飲み込み、エアフランス・KLM航空はイタリアのアリタリアの株式を一部取得しています。

航空会社のビジネスは典型的なスケールのビジネスですから欧州の小国がひとつの国の中だけで「ナショナル・フラッグ・キャリア」を維持しようとしても、もはやそれはムリなのです。

英国航空とイベリア航空の交渉は実はかなり前から行われていましたが、交渉の障害となったのは50億ドルにものぼる英国航空の年金の積み立て不足です。イベリア航空側は「なぜ我々が英国人の年金の尻拭いをしなければいけないのだ」とそのキャッシュフローで年金基金を充填することを拒否しました。

今回のディールでは英国航空の年金は「リング・フェンス(=囲いを張り巡らすこと)」により分離され、合併新会社(持ち株会社レベル)も、イベリア航空部門(子会社)も英国航空の年金の面倒は見ないという方法で妥結したようです。

新会社の国籍はスペイン。上場はロンドンになる模様。

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