☆ ☆ ☆

2009年6月11日木曜日

小型株の選別相場 (その後)

このところ小型株の選別相場という事を強調しているのですけど、基本的にその考えには変わりはありません。

なぜ小型株か?ということですが、景気が大底を打つ直前は小型株が大型株をアウトパフォームしはじめるというジンクスがあるからです。愚直にその経験則を実行しているに過ぎないわけ。

最近、このブログや他のところで語ってきた銘柄をチョッと書き出してみたのが上のパネルですけど、この中でCNインシュアー(CISG)は①株価が騰がってしまったことと、②決算がイマイチだったこと、の理由から降りてしまいました。

こうやって見ると中国の株が多いですね。

その中で米国のスタレント・ネットワークス(STAR)を新たにハイライトしたいと思います。同社は携帯電話会社がストリーミング・ビデオのようなサービスを提供する際、自社の既存のネットワークのキャパシティーを増強するためのモバイル・ゲートウエイを作っている会社です。先日アップルのデベロッパー・カンファレンスがあり、新しいアイフォーンが発表されたわけですけど、本当に重要なニュースは古いアイフォーンを発売中止するのではなく、$99に値下げして売り続けると発表された点です。これはスマートフォンのユーザーのすそ野が広がることを意味し、モバイル・ネットワークに対する負荷は一層きつくなります。リサーチ・イン・モーションの社長サンのインタビューでも指摘されている通り、このようなスマートフォン・ブームは、それをサポートするネットワークという面では「自転車操業状態」であり、ムリし続けているわけです。

アジアインフォ(AISA)は携帯電話の請求書ソフトウエアならびにコールセンターのソフトウエアを作っている中国の会社です。3Gのビルドアウトでお客さんがこれまでのチャイナ・モバイル1社からチャイナ・ユニコム、チャイナ・テレコムの合計3社に増えました。バリュエーション的には割高ですが、わかりやすいストーリーの株なので我慢して乗っています。

フーシー・コッパーウエルド(FSIN)は一番「出世」する株じゃないかな?と僕が期待している中国の会社です。同社は4兆人民元の景気刺激策の恩恵を蒙ります。具体的には中国の鉄道網整備や送電線の整備に不可欠の企業です。さらに3Gのベース・ステーションのリ・ワイヤリングの際、同社の製品が使われます。すごくわかりやすいストーリーで、独占的地位にある企業なのですが、ウォール街のアナリストのカバレッジが悪く未だ「発見」されていません。

WSP(WH)は中国のオイルフィールド・サービスの関連企業です。具体的には石油の探索・生産のためのチューブやパイプを作っています。ライバルはアルゼンチンのテナリス(TS=同社は日本鋼管の石油チューブのビジネスを買収しました)です。同社の主幹事のJPモルガンがちゃんと同社のストーリーをプロモートしていないので、泣けてくるような安値に放置されています。でも厳しい環境の中、ちゃんと数字は出せているし、世界不況が襲った際、即座に経営のフォーカスをそれまでの世界展開から西気東輸にシフトしたのは立派だと思います。付加価値の高い商品を主にペトロチャイナ1社に集中的に売ってゆく、、、そういう戦略です。新疆自治区に工場進出したのは原材料の調達、労働コストの削減、輸送のコスト削減、顧客に近いところに立地する、、、それらの全ての面で理に適った戦略。


PS:小型株については次回の『グローバル投資のすべて』で小型株特集を組み、新しい銘柄を続々紹介します。

0 件のコメント: