『バロンズ』機関投資家意識調査０９年１０月⑤

『バロンズ』機関投資家意識調査０９年１０月④

『バロンズ』機関投資家意識調査０９年１０月③

『バロンズ』機関投資家意識調査０９年１０月②

『バロンズ』機関投資家意識調査０９年１０月①

『バロンズ』機関投資家意識調査
ダウ工業株価平均指数の今年年末のターゲットとしては１０１８７がコンセンサスになっている。来年６月末のターゲットは１０７７１である。多くの機関投資家はハイテク・セクターに強気であり、これを反映して来年６月末のナスダック総合指数のターゲットのコンセンサスは２３７１となっているこれは現在の水準から１５．９％上昇すると予想していることになる。
しかし機関投資家の８割は現在の株式市場の水準が既に「適正ないしは割高」に達してしまっていると考えており、春先に行った前回の調査のときの、４４％より大幅に増えた。
回答者の約半分が大きな調整もありうると考えており、その場合、キャッシュが最も安全な避難場所であると回答した者が４６％だった。
今回の調査のもうひとつの特徴は海外市場が米国株をアウトパフォームすると考える機関投資家が極めて多かった点である。米国株が海外株より良いと答えたものは全体の２８％に過ぎない。この反面、４９％がエマージング・マーケットを選好している。アジアの先進国（＝日本など）を好む投資家は１９％だった。アジアに強気な投資家は６０％、ラテンアメリカに強気な投資家は５４％だった。

ICICI銀行 第２四半期（９月期）決算発表

ICICI銀行（ティッカー：IBN）が第２四半期（９月期）決算を発表しています。

純利益：１０４億ルピー（予９９．４億ルピー）

【CNBC TV18のインタビュー抄訳】
バランスシートの圧縮は今期が最後である。今後はバランスシートを拡大する予定だ。住宅、自動車、企業向けローンを拡大する。下半期のこれらのビジネスの成長率は２ケタになるだろう。焦付きの多い無担保小口貸付の融資残高は圧縮してゆくつもりだ。

金利収入が前期比で増えているが？

コア・デポジット（当座・普通預金）レシオを改善するべく、預金の集金に力を入れている。これがファンディング・コストの減少に貢献すると思う。今期のコア・デポジット成長は良かった。コア・デポジット・レシオは３６．９％になった。これが純金利収入マージンの改善の主因である。

２．４から２．５％の純金利マージンというのは維持可能なのか？

当座は２．６％をターゲットにしている。

預金金利は今後下がってくるのか？

下がらない。ただCASA比率は上昇するのでファンディング・コストは下がる。貸付金利の急上昇もない。

焦付き引当金比率は５１％だがRBIは７０％を要求している。これにどう対応するのか？

貸付ポートフォリオの中身は改善しており、焦付き額は減少に転じた。焦付きのピークは過ぎた。

スクランブル

うーん、もう少し調整があるかと思ったけど、、、
米国の第３四半期のGDPの数字が良かったので、マーケットにはバーゲン・ハンターが殺到している。
ここはケチ臭い意地を張らずに素直にロングしよっと。

離陸準備

BRICｓ各国の株価がこのところ下げています。
「目先、冷やした方が良い」というのが勉強会などでの僕のスタンスでしたが、理想的な感じで買い場が至現しつつあります。
引き金を引くには未だ早いですが、チャンスはすぐそこまで来ています。ここ数日が勝負。

『ブラジル特集』の録画がUPされています

『ブラジル特集』の録画がUPされています。

楽天証券主催『ブラジル特集』勉強会チャット記録

先日は『ブラジル特集』の勉強会にご参加いただき、誠にありがとうございました。
以下はチャット記録です。
例によって目に付いたご質問、コメントには僕のコメントを追加させていただきます。

jikiden > こんばんわ
jikiden > はい
jikiden > 良好です
jikiden > よろしくお願い致します
スタッフ > 本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございます。開始までいましばらくお待ちください。
スタッフ > 本日は、補足資料のみ画面下部「資料ダウンロード」からダウンロードいただけます。
leno > みんさん、こんにちは。よろしくお願いします。
katsu123 > ボサノヴァ最高！！
marime > こんばんわ
hatoyama > 今晩は、よろしくお願いします
leno > 前回のセミナーは、抽選で外れて参加できませんでした。残念！！！
nomado > これセルジオ・メンデス？
tao > こんばんは　ボサノヴァ　いいですね～＾＾
leno > 　おｋ
leno > OK
Master > はい
muzou > 聞こえてます～
hatoyama > はい
onfer > okです
grenlivet > OK
mena > OKです
pam > はい
kaka > こんばんわよろしくお願いします
mukuchan > はい
rio2016 > 感度良好！
minnaohana > よろしく
pannda > OK
naonao1 > 聞こえます
aquqbull > よろしくお願いします。
nomado > 日本は相変わらずです
nx > ダウンロード資料はないのですよね？？
jun1 > あるよ
ringo > ブラジルの電気自動車産業はどうなのでしょうか？
sam > nxさん、資料はデスクトップにダウンロードされます。
nx > samさん、jun1さんありがとうございます。
leno > 出口戦略の模索
jun1 > 中国の不動産はバブルですか

一部地域では去年に比べて６割程度も不動産価格が上昇したところもあります。
中国政府はこれに警戒感を持っており、銀行の融資基準を厳格化するなどの方法で対処しようとしています。

yumyum > 中国の保険株は割高でしょうか
kumizoukunn2 > 中国が　いつまでも　為替相場を　変動相場制に　移らないなんて　甘えていられるかどうか・・・
bs > アンフェアです。不当な元安。しかし軍事力をもっているから強い。

そうですね、中国はアンフェアだという声はアジア諸国を中心に強いです。
不思議にアメリカではそういう声は強くありません。


solo170 > 楽天FX　ドル元　円元　はじめないかな
naru > FTSEと上海総合が乖離してるんだが、銀行系がいけいけって事かね？
leno > 固定相場は、中国の国策。
yumyum > プラザ合意は日本の失策
leno > 広瀬先生の中国のおすすめ銘柄は？

特におすすめの銘柄というのはありません。
個人的に好きな会社というのはあります。
WSP（WH）＝時間がかかるでしょうね。でも株価はとても割安放置。輸出ダンピングの材料でやり玉に挙げられている企業。
シェンダテック（SDTH)＝中国のナノ技術関連銘柄のひとつ。
ドーヤン・グローバル・ウォーター（DGW)＝すごく騰がってしまったので今からは買いにくいですね。

hatoyama > 日本以外は、皆ＯＫ
capt > こんな時期に円高容認する日本のほうがおかしい
kumizoukunn2 > 中国版プラザ合意を　なしに　いつまで　甘えていられるかどうか・・・
capt > 甘えではないと思います
leno > とりあえず、ドル安にして、G２０とかで、アメリカ経済を復活させる密約があるのでは？

これは面白い（笑）！
なんかアメリカと中国はドル安政策に関して呼吸が合いすぎですよね。
勘繰りたくなります。
そこへゆくと日本はどこまでもお人よし。

bs > 米国は中国を為替操作国に認定できない。これが現実。
jun1 > 治安大丈夫ですか
asa > 鉄道はどうですか
jazzjazzjazz > 仕事が、今終わりました。間に合いました。
leno > GFA
toitoi > KDDGはどうですか？
jun1 > 長期で投資していい国ですか
nomado > 昨日のnhkスペシャル「自動車革命」見た？？
naru > 見た見た
kumade > 録画してあります
nx > 見た！ＢＹＤ
ppi > どんな内容？
nomado > 面白かったよね
naru > 電気自動車の話
ppi > ほー
nomado > 中国って意外とベンチャー多いんだね
naru > でも自動車がプラスチックとか炭素繊維で出来るようになったら妙味が薄れるのでは？
nomado > 確かに。
marikosyuku > ゴーン氏動くかな？
jun1 > アマゾン流域はまだまだ開発できるんですよね
naru > 確かに
naru > とうもろこしにシフトしたりはしないの？
nomado > アマゾン開発するとCO2がヤバイ
marikosyuku > 豊かになるために、やっちゃうでしょう。
jun1 > 科学者は太陽活動が弱くなって寒冷化するて言ってるよ
yumyum > 壮大なインサイダーですね
nomado > たしかにCO2が温暖化の原因かどうかは？？？ですよね
naru > あれだけ外国人比率高ければねｗｗ
marikosyuku > ラテン系にしてアグレッシブは意外です。
leno > レアル高が、怖いなーーーー
fezz > レアル高円安
hatoyama > 日本と違って成長できる国が羨ましい
naru > 審査も厳しいだろうしね
nomado > 裁定やりまくりでしょ。プロは
jiut > ドルで買うのは、こわい。
nomado > はめ込み食らうのは嫌ですな
leno > 鉄鉱石を磨く
jazzjazzjazz > それでは、ブラジル株は、どのタイミングで買ったら良いでしょうか。

勉強会の当日にも申し上げましたけど目先は調整が必要だと思います。
これはブラジルに限らず、すべてのBRICｓに当てはまります。
でも調整は浅いと思う。
押したら出動です。

bs > 日本も来年ドル円120円になればだいぶ経済も株も改善するはず
naru > そーですねー
yumyum > 日本人というか民主党
nomado > そんなこと思ってないでしょ日本人。円安がいいにきまってる。

事業会社とか商社の人で昔から輸出の現場に携わっている人たちは通貨高の問題を痛感していますが、銀行マンとかファンドマネージャーだけしかやったことの無い人の為替観は幼稚。

nomado > 民主党だけでしょ
fezz > 海外旅行で得、なんていわれてごまかされている。
nomado > 広瀬さん誤解だよそれは！！
bs > ＯＥＣＤの経済モデルでは通貨高だとＧＤＰ縮小するとなっている
jazzjazzjazz > 今は、ダメですね。レアルが、下がった時が、買い場でしょうか？
nomado > 誤解だよ
bobb > 藤井最悪
kumizoukunn2 > 結局　世界のマネーのうねりに　うまく　ついていくしかないなぁ・・。
toitoi > 藤井大臣が円高誘導しておいてよかったね。これから財政赤字で円安になるからね。
toitoi > なかなか戦略的な爺さんだ
jazzjazzjazz > そうそう、中国は、ズル賢い。
jazzjazzjazz > 難しいな。
jazzjazzjazz > ありがたし、脱線講義。
naru > ポタッシュはこの前大幅減益出してなかったか？

よくご覧になっていますね。
モンサントとかポタッシの決算カンファレンスコールはブラジルの農家の置かれた境遇を知る上で貴重な機会です。毎回、必ず「農家が潤っている」とか「為替で苦しんでいる」など、他では得られない情報が得られます。これが先行指標。
そしてほどなくしてブラジル中銀が動き始めるのです。

newagu > ははぁ。ナルホド。
fezz > なるほど
kumade > 貴重な相関ですね
naru > でも出来高が少ないんだよねこれ
naru > 無難
newagu > 単位も１００口なのがなぁ。１０口にならんかね。
jun1 > ＥＺＷの方が良くない
kumizoukunn2 > ダウみたいなもんですね。。
bs > このＥＴＦは原資産との乖離が大きいことが多いのが問題
nomado > 乖離すごいよねえ
naru > 時々噴く
wanki > ETFのプライスは怪しい
marikosyuku > いまは買い待ち？
nomado > 基準価格見てない奴らばっかだからね
TAKA115 > 今は高値ですか？
ppi > だいたいプレミアム気味？
capt > 今月になってから出来高急増してますね
nomado > プロは裁定でぼろ儲けだろうね
naru > おお
jazzjazzjazz > 1325随分とあがっちゃってるなあ。
WarrenPuppet > でもSID楽天では取り扱っていないのでは?
nx > ULTRはいかがですか？
naru > 社長のプレゼンが眠かった
leno > SIDは楽天で取り扱ってますよ。
jun1 > ＪＡＬが追加で航空機を購入するらしい
naru > 日本の地方空港向けだなｗｗ
DaddyAtMikawa > MRJとぶつかるなー
TAKA115 > 悪名高い
leno > 事故多し。
nomado > 有名ですぜ
WarrenPuppet > lenoさん、ありがとうございます
leno > 乗りたくない
kichan > 何度も乗ったが，確かに怖い･･
solo170 > 脚が出ないので有名
marikosyuku > ２０年前に三菱重工が研究していた
marikosyuku > 狙い目？
naru > 税引き後利益？
toitoi > 税引き後じゃない。ＢはbeforeのＢ
jun1 > 新幹線計画がブラジルでありませんか
wanki > ブラジル人は国内が楽しいのでは？
naru > 税引前利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した値だそうな
naru > orz
nomado > 懐かしい光景だなあ
jun1 > 信金さんはまだしているね
nomado > 牧歌的だね
marikosyuku > ややや！
TAKA115 > 遅延比率は何パーセント位から危険区域ですか？
kotemari > 来年の株価指数は、どのくらいまで上がるのですか？
sumire > 中・長期的にみて成長株はどれでしょう。PBRもレアル安待ちですか。１６７１WTI原油ETFとでは、どちらを買った方がいいのでしょうか。
sakamaki > 採掘コストはどうなんでしょう？
mena > オリンピック ＆ Ｗ杯なら、建設業や、インフラ関連だと思ってました。
jun1 > これからハイブリド、電気自動車の時代では
capt > sug
novice > CZZ, ULTRの見通しはいかがでしょうか。
iorin > Cosanどうですか?
leno > インドの銀行株の見通しは？
nomado > ウジミナスって上場してないの?
makotosumiko > ブラジル債券投資も控えるべきですか？
poporu > ブラジルの高速鉄道関連について教えて下さい
naru > 車や飛行機は質より量ですか？量より質ですか？
tonakai > ペトロの株価は高止まりとのことですが、いつが買いなのでしょうか？
j > スピードメーターはどのくらいから危ないのですか？
marikosyuku > ブル＆ベアの銘柄は有りますか？
WATANA > ETFを買うなら、ブラジル[1325]と　ロシア[1324]　どちらがお勧めですか？
nomado > ブラジル大統領選挙の影響は？
naru > インドもIPO待ちが大量にいますが、これはインド市場に悪影響を与えないのでしょうか？
nx > 今後フォローはあるのでしょうか？？
mitts > ブラジルには農業関係で魅力的な銘柄はないのですか？
kotemari > ヴァーレの株は、今後２００８年頃の株価にもどりますか？持っていてもいいですか？
tetsu > ブラジルで土木関連で有望企業は？
nomado > BRICSはみんな証券市場は「取引所集中義務」あるんですか？
nomado > アルゼンチンは有望ですかね？
moki > ブラジルには日経２２５のような先物はありますか？
naru > 日本ヤバス
hatoyama > 日本は、駄目だね
jun1 > タタのナノは煙を噴出すみたいですが
toitoi > 日本人による日本人のための悲観論はウンザリ。だったら移住すれば？
naru > （;´Д｀）ノ
novice > Kosan, Ultrapetralの見通しをお願いいたします。
leno > ボルームゾーンを狙え
naru > オナラ
jiut > ＥＲＪは買いでしょうか？
harimao > アルコール燃料で有望な企業はありますか？
DaddyAtMikawa > VolumeZoneですね。所得が30万から300万の人たち。
nomado > 薄利多売の時代ってことですか?
WATANA > ブラジルで大豆や農業関係の有望銘柄は何でしょうか？農業関係は有望でしょうか？
jun1 > 三井物産は
hatoyama > ヤクルトは？
Kchan > EWZはADR扱いですか？
zacky > タタモーターズは火噴いたりしてますが、大丈夫ですか？
nomado > コマツは？？キャタピラーと比較してどっちがいい？
hnagata > メジャーのブンゲのブラジルでの利益の比率はどのくらいですが？
tetsu > ブラジルの土建業で有望なのはありますか？
naru > そりゃそうだｗ
nomado > 広瀬さん日本株は全く駄目ですかね？
sumire > ILFha/
nomado > あとはブログでよろしくね
fezz > ありがとうございました。
leno > ありがとうございました。
takepon > ありがとうございました
hnagata > でも海運業は今厳しいのでは？
zzz > ありがとうございました
nick > ありがとうございました
norikai > ありがとうございました
naru > " °･:,｡★＼( ´_ゝ`)♪ありがとう♪(´ι _` )/★,｡･:･° "
nomado > さいなら
poporu > ありがとうございました
sumire > ILFは？
kumade > ありがとうございました
hnagata > ありがとうございました
kotemari > 資源株が、落ち込むとブラジル株はあぶないのでは？
hatoyama > ありがとうございました
nx > サンクス！広瀬さん。
tra > ありがとうございました
DaddyAtMikawa > ありがとうございました。パチパチパチ
P > 有難う御座いました。
TAKA115 > 先生次回また楽しみにしています。ありがとうございました。
ktsg > ありがとうございました
onfer > どうも、有難うございました。
trader003 > ありがとうございました。
thankyougo > 何時も分かりやすい説明有難うございます。
yoiyoi > ありがとうございました
0867 > ありがとうございました
zacky > ありがとうございました。
bluesboy > 今日も楽しく聞かせてもらいました。
leno > また次回
HH > ありがとうございました
novice > 大変参考になりました。ありがとうございました。
kotemari > ありがとうございました。
mitts > ありがとうございました。
スタッフ > 本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。ご退出の際は、画面下のアンケートバナーをクリックしてアンケートにご協力ください。
mrpeso > ありがとうございました。
0857 > 0857>有難うございました
WATANA > ありがとうございます
kumizoukunn2 > ありがとうございました
sakamaki > ありがとうございました
nobuchan > ありがとうございました。参考になりました。
momo > good neght!
WarrenPuppet > ありがとうございましたた
aquqbull > 有難うございました。
jalanjalan > ありがとうございました。
スタッフ > 本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。ご退出の際は、画面下のアンケートバナーをクリックしてアンケートにご協力ください。
totan > ありがとうございました。
zen > ありがとうございました
marime > ありがとうございました。
noborizaru : ありがとうございました。
jazzjazzjazz > 大変力のある、御講演ありがとうございます。
ZWU > ありがとうございました
toshi > 有難うございました。
olive > 何時も楽しみです、有難うございました。
nomado > バッハの無伴奏だ
hideyukikaya : ありがとうございました。
スタッフ > これで本日のオンライン勉強会を終了させていただきます。ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。
marikosyuku > 勉強になりました。ありがとうございました。
jiruchan > 初めて聴きましたが、良かった。
sourin > とてもよかったです。
DuleiveK > パルティータ三番第一楽章
DuleiveK > ありがとうございました。

マーク・ファーバー いつもながら突飛でダークな「ファーバー節」

ダーク・プールとは何か？ ③こんにちのダーク・プール

さて、下の２つのエントリーで昔流の大口注文の捌き方の例を説明しました。

これらのやり方はいずれも人手のかかる、「人海戦術」であり、ローテクだという共通点があります。
エクセキューション・プライスの良し悪しはどのくらい機敏にトレーダーたちが動けるか？という問題に加えて、証券会社そのものが損を蒙ったかどうかによって左右される面もあります。

また最初は秘密裏に物事が運ぶのですが、途中からだんだん市場に全貌がバレ、それが悪用されたり執行の非効率を招いたりします。

だから昔流のやり方は必ずしも理想的ではなかったのです。

そこで機関投資家が匿名性や注文の存在を秘密にしたままで何とか効率的な執行が出来ないか？ということの試行錯誤が繰り返されました。

電子的に機関投資家間の大口注文を突き合わせる、オルタナティブ・トレーディング・ネットワークなどがいろいろ出てきたのはそのためです。

このような電子市場における注文のフローのことを総称して、こんにちダーク・プールという言葉が用いられているのです。

なお、ダーク・プールにおける注文の突き合わせには取引所において注文を執行する場合と同様の価格面でのガイドラインが存在します。またベストプライス（最良執行条件）への参加はリテールの投資家にも可能であるような配慮がされています。

ただ、昔流のやり方と何が違うかと言えば、ジェンのようなセールス・トレーダーの必要性がぐっと低下した点です。また、昔はセールス・トレーダーがやっていた、大口の売り物の存在の探索などの作業を今はゴールドマン・サックスのHi-Fiトレーディングに代表される、アルゴリズム・トレーディング・システムが代行していると言う事もできると思います。

なお、電子市場の発達は個人投資家にとっては不利な面より有利な面の方が多いと思います。

ダーク・プールとは何か？ ②ビリーの場合

もうひとつダーク・プールの例を説明します。

ビリーは証券会社の自己勘定で顧客の大口注文に売り向かったり、買い向かったりするポジション・トレーダーです。トレーディング・ルームのスピーカー・システムからビリーの緊張した声が聞こえてきます。

ビリー：「IBMでプライス・チェックされたぞ！」

プライス・チェックというのはフィデリティーのような大口機関投資家がまとまった株数のブロックを「お前は幾らで取れる？」と打診してくることを指します。

この場合、フィデリティーはひとつの証券会社だけでなく、数社に矢継ぎ早に電話を入れて、最も良い値段を提示した証券会社に「お前に全部売った！」と一括して買い取らせるのです。

ビリー：「ウチのビットがヒットされた！（We got hit!）　２０万株のIBMが在庫になったぞ！（We are long 200 IBM!）」

この叫びと同時にセールス・トレーダーの前にあるタレット（顧客との直通電話）の橙色の灯が全部ともります。セールス・トレーダーはなるべく早く、在庫になった２０万株の処分先を見つけないといけないので、買ってくれそうな大口機関投資家に片っ端から電話を入れるわけです。

セールス・トレーダー：「あの、IBMあります。」

顧客A：「うん、じゃ５万株、貰っとこ。」

こんな感じで綺麗に２０万株を全部処分してしまわないといけないのです。しかし最初にフィデリティーが各証券会社にプライス・チェックを入れた際、売り物が来ることはウォール街中にバレてしまっているので、他の証券会社は注文を取れなかった腹いせに勝った証券会社が不利になるような情報を顧客に流します。

証券会社Bのセールス・トレーダー：「あの、IBMに大きな売り物があります。」

顧客B：「うん、ありがと。」

従って在庫を抱え込んでしまったビリーは一刻も早くその玉を処分してしまわないと値段が崩れてしまうのです。
　　　■　　　■　　　■

上の例ではIBMの売り物２０万株がダーク・プールです。

この２０万株の売り物の存在は最初はフィデリティーから打診を受けた各証券会社のチーフ・トレーダーだけが知ることの出来る情報です。NYSEで売り買いを突き合わせているスペシャリストや一般投資家にはこの情報は流れません。

でもリスク（＝つまり在庫）が敵の手に渡ったとわかった瞬間から相手が成功裡に在庫を処理するのを妨害するバトルがはじまるのです。

ダーク・プールとは何か？ ①ジェニファーの場合

「ダーク・プール」の存在が最近、トレーディング・コミュニティーで話題になっているので僕なりの解説を試みます。

まず「ダーク（暗い）」という語感、、、これがすごく誤解のモトになっていることを最初に指摘したいと思います。ダーク・プールそのものは昔から存在したし、それ自体は善でも悪でもアリマセン。ただ最近のテクノロジーの進化はダーク・プールを利用しようとする者の間で新しい「勝ち組」と「負け組」を作っており、そのうち「負け組」の方から「チョイ待て！これはフェアじゃない！」という抗議の声が上がっている、、、それが真相だと思うんです。

でもそれだけじゃわからないだろうから、実際の例で説明します。これから書くシーンはドットコム・ブーム真っ盛り、１９９７年のトレーディング・ルームの光景です：

僕：「ジェン、○×生命からのこの注文、日中かけて（over the course of the day）計らってほしいんだけど、、、」

ジェニファー：「ホイさ。」

僕：「あの、マーケット・メーカーに全部で９万株あるってこと気づかれないようにね。」

ジェニファー：「忘れたの、私はアンタとアンタの客のもの。（I'm your girl. I work for your customer, remember?）」

僕：「うん、ごめんね。チョッと心配になっただけさ。」

ジェンというのはセールス・トレーダーです。セールス・トレーダーというのは為替で言うカスタマー・ディーラーに相当し、自己のポジションを持たず、最終顧客のために注文をさばく仕事をするトレーダーです。これとは別に証券会社にはマーケット・メーカーと呼ばれる、自己ポジションで顧客注文に買い向かったり売り向かったりすることで商いを突き合わせているトレーダーが居ます。

ジェニファーはこの注文の９分の１だけをマーケット・メーカーに流します。

マーケット・メーカー：「ジェン！この注文、後があるんじゃないだろうな？全体像を教えないとただじゃおかないぞ！（Give me the whole picture.）」

ジェン：「とにかく、最初の部分を買わせてよ。（Get me started, would you?）」

マーケット・メーカー：「よし、じゃあ１万株○×ドルで売った。」

ジェン：「あんがと」

　　　■　　　■　　　■

一時間後、、、

ジェン：「さっきの株だけど、あと１万株買いたいんだけど。」

マーケット・メーカー：「そらみろ！このアマ、騙しやがって。だから言わんこっちゃない。担がれちまったじゃないか！デスクに穴をあけたのはお前だぞ。」

マーケット・メーカーは最初の１万株の出来を作った際、在庫が無いにもかかわらずジェンに売り向かったわけですから、１万株のショートのポジションになっているのです。するとマーケット・メーカーの立場からすれば売り物が来て相場が下がってほしいのに、後から後からジェンが買い注文を出してくるので機嫌が悪いわけです。

なぜジェンが全部で９万株の買い物があるということをマーケット・メーカーに伝えなかったかというと、それがバレるとマーケット・メーカーが引いてしまい、最初の買い始めを良い値段で買わせて呉れないからです。

このようにひとつの証券会社の屋根の下でも顧客の利害を代表しベストの値段を追及する者（＝ジェン）と証券会社の利益を追求するもの（＝マーケット・メーカー）の立場は全く対立的なのです。

　　■　　■　　■

大引け前３０分、、、

僕：「ジェン、○×生命だけど、あと１万株、追加しておいて、、、」

ジェン：「やめてよ、それは殺生だわ。（Don't do this to me.）私、マーケット・メーカーにぶっ殺されるわ！」

僕：「騙して、ごめん。こんど『寿司清』でおごるから、、、機嫌直してね。」

　　　■　　　■　　　■

つまりはじめから○×生命からの注文は１０万株だったのです。でもそれがバレるとマーケット・メーカーの餌食にされてしまうので、最後の最後まで、トランプのカードを見せないようにしたわけです。

さて、ダーク・プールとは上の例では最初にマーケット・メーカーの目から隠ぺいされた８万株、プラス僕が懐に隠し持ち、ジェニファーを欺いた最後の１万株、、、都合９万株のことを指します。

ダーク・プールを擁護するゴールドマン・サックスのプレゼン資料

Goldman Defense

ダーク・プールの解説は１６ページ以降にあります。

アポロ・ショック！

今日、引け後に『ユニバーシティ・オブ・フェニックス』の運営会社であるアポロ・グループ（ティッカー：APOL）が決算発表しました。決算そのものは兎も角、「SECが同社の売上計上手法に関して任意の取り調べを開始した」という事実が公表され、アフター・マーケットで株価は▼１９％程度急落しています。

サティヤム・コンピュータ（SAY）の捜索が続く

サティヤム（ティッカー：SAY）のスキャンダルに新しい展開がありました。以下はAPAニュースの抄訳：

インドの検察当局とインド準備銀行は不正会計スキャンダルを起こしたサティヤム（SAY）の創業者、ラマリンガ・ラジュのお金がモーリシャスに隠されていたと発表した。検察当局によるとモーリシャス以外にもお金が隠されている可能性がある。少なくとも１億ドルがモーリシャスでマネーロンダリングされ、インド国内の６つの銀行に再送金された疑いがある。

外国の投資家がインドの株式に直接投資する場合、モーリシャスに投資子会社を設置することが必要になります。モーリシャスがサティヤムのマネーロンダリングに使われていたことで現在のこのアレンジメントが再考される可能性もあります。

バイドゥ（BIDU)第３四半期決算発表

バイドゥ（ティッカー：BIDU)が第３四半期の決算を発表しています。

売上高：１．８７３億ドル（予１．８７８億ドル）
EPS：＄２．０７（予＄１．８１）

ガイダンス
第４四半期売上高：　１．７４～１．８億ドル（予２．０２億ドル）

今期のオンライン・マーケティング・カスタマー数は２１．６万顧客。
これは前年同期比＋１１．３％で前期比＋６．４％。
オンライン・マーケティング・カスタマー当たり売上単価は前年同期比＋２５．５％、前期比＋９．３％。
TAC（トラフィック・アクイジション・コスト）は売上高の１５．３％で前年同期の売上高の１１．８％より増えている。

中国のSWF（ソブリン・ウエルス・ファンド）、CICがアイヴァンホー・マインズ（IVN）の子会社に巨額の出資

中国のCICがアイヴァンホー・マインズ（ティッカー：IVN）の子会社、サウス・ゴビ・エナジー（カナダ・ティッカー：SGQ）に５億ドル出資すると発表しました。サウス・ゴビ・エナジーはモンゴルとインドネシアに炭田を所有しており、その株式の７９％はカナダのアイヴァンホー・マインズが持っています。

モンゴルでは昨日、サンジャー・バヤル首相が健康上の理由（肝臓の病気です）で退くと発表したばかりです。モンゴルの鉱山開発のネゴシエーションはバヤル首相じきじきに取り行っていたので、政府の風向きが変わるかどうか注意する必要があると思いますが、今回のCICの発表などを見るにつけ、もはや後には引けない感じになってきていると思います。

視察団がイランの核施設を検分

マイクロソフト、アマゾンなどアメリカのハイテク株の決算について

マイクロソフト、アマゾンなどアメリカのハイテク株の決算についてのレポートをUPしました。

原油高で恩恵をこうむるロシア

原油高で恩恵をこうむるロシア株式市場についてのレポートをUPしました。

「O Phone」で恩恵をこうむるマーベル・テクノロジー（MRVL）

チャイナ・モバイルは5.08億人（＊）の加入者を誇る世界最大の携帯電話会社です。そのチャイナ・モバイルが「iPhone」の中国版、「O Phone」を展開し始めています。これはハイテク業界にとって大事なことです。なぜなら現在のアメリカの「iPhone」の加入者数は３２０万人にすぎないし、AT&T全体の携帯電話加入者総数は８１６０万人に過ぎないからです。これは中国全体の人口の僅か１１％です。つまり数年後を考えた場合、中国が世界最大のスマートフォン市場になる可能性があるということです。

「O Phone」はグーグルのアンドロイドというOSを利用しています。アンドロイドは「iPhone」のような操作感を、余り重くならないデザインで実現しています。チャイナ・モバイルはアンドロイドOSの上に独自のインターフェースを載せていますが、これを動かすためにはパワフルな半導体が必要になります。

マーベルは２００６年にインテルの携帯電話チップ部門であるXScaleを買収しました。XScaleはインテルが携帯電話市場への参入を企てて設立した部門ですが、プロジェクトは途中で頓挫しました。そこでインテルがXScaleを売却した際にマーベルが飛びついたのです。

マーベルの世界観は「次世代のコンピュータは従来のデスクトップとかノートブックのような形状を必ずしもしておらず、ありとあらゆる形態を取りうる。その無数のコンピューティング・デバイスのひとつひとつにマーベルのチップが採用されるべきだ」という壮大なものです。

そしてとりあえず最初にそのバトルの主戦場になるのはスマートフォンに違いないということに目星をつけ、世界最大の携帯電話会社であるチャイナ・モバイルと早くから共同開発にあたってきました。

これまでに「O Phone」のハンドセットはLG、デル、レノボ、フィリップスなどが発表しています。これらの製品のほとんどでマーベルのチップが活躍しているのです。

マーベルは「O Phone」市場向けのシングル・チップ・ソリューションであるPXA920シリーズを発表しています。現在、PXA920はサンプリング中であり、来年から量産に入ります。 同社のライバルとしてはクウァルコム、エヌヴィディア、STマイクロなどが考えられます。

現在のマーベルの株価評価を見た場合、この「O Phone」のポテンシャルは余り株価に反映されていないと感じます。

（＊）オリジナルの文章では数字を間違えました。すみません。